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2社のライブラリーに重複なし

Schamberger J, Grimm M, Steinmeyer A, Hillisch A. Rendezvous in chemical space? Comparing the small molecule compound libraries of Bayer and Schering. Drug Discovery Today. 2011;(2010).
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S1359644611001322

バイエルとシェリングが合併した際に、お互いのライブラリーを一元化する際に不適切な化合物や重複している化合物を調べクリーンナップした。その際にライブラリー化合物の物性は類似していたが、意外にも化合物の重複は驚くほど少ない事が判明した。合併前、バイエルは200万化合物、シェリングは90万化合物有していた。重複していたのはわずか5万化合物で、全体の1.5%に過ぎない。しかも、そのほとんどが購入化合物で、インハウスの合成化合物の重複はわずかに2000化合物に過ぎなかった。さらに、これらすらも、コンビケム合成品か合成中間体であり、デザインされた合成化合物には重複がほとんど存在しない事が判明した。さらに両者の化合物の構造多様性と相同性を検証した結果、驚くほど異なっていた。この要因は、それぞれの企業がフォーカスしていた疾患領域の違いに由来するのかもしれない。バイエル社の化合物は分子量が大きく、回転結合数が多く、clogPが高い傾向があった。シェリングの化合物は物性値でフィルターをかけて購入していた。不適切な部分構造をもつ化合物はバイエルのライブラリーのうち2%、シェリングの1%程度であった。これらの結果を考慮すると、製薬企業のM&Aは実りある結果になりうる。現在、M&Aは創薬のコンピテンシーよりもむしろパイプラインポートフォリオで決定される。しかし、イノベーティブな医薬品創出の必要性を鑑みれば、研究開発力こそが重要な要素なのである。仮に化合物ライブラリーが企業のナレッジベースであるとみなすことができるなら、M&Aは二つの企業の技術的相補性を発揮しうるはずである。残された課題は、バイエルとシェリングの一体化したライブラリーからイノベーティブな新薬が創出できるかどうかである。

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

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趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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