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活性大逆転:1残基の違いでCDK2活性消失

Ducray R, Simpson I, Jung FH, et al. Discovery of novel imidazo [ 1 , 2-a ] pyridines as inhibitors of the Insulin-like Growth Factor-1 Receptor tyrosine kinase. BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS. 2011.
Available at: http://dx.doi.org/10.1016/j.bmcl.2011.06.093

IGF-2阻害薬はファイザーの抗体CP-751,871や低分子OSI-906、BMS-754807が臨床開発で先行している(Fig. 1)。アストラゼネカではHTSでヒット化合物1を見出した。この化合物はもともとCDK2阻害薬で検討されていたもので、IGFに対して1.26μMであるのに対してCDK2は1000倍以上強い1 nMであった。まずはこのもともとの主作用であり、ここでのオフターゲットであるCDK2の活性を減弱させ、IGF活性を残すデザインを検討した。スルホンアミドをアセチルピペラジンにした2でCDK2活性は減弱、IGF活性が向上、さらにリンカー・フェニル上にメトキシ基を入れる事で、IGF活性を保持しつつCDK2活性は100μM以下にほぼ消失させる事に成功した。このメトキシ基の効果は、CDK2のPhe82との立体障害と考えられ、一方でIGFはLeu1078で許容され、この1残基が選択性の鍵になっていると推定される(Table 1)。この効果は、IGF活性においてオーロラBとの選択性を得るためにも、同様にオーロラのTyr156との違いを認識した際にも確認されている。次にピリミジン側鎖を検討、CDK2活性は回復するが、IGF活性も向上し、細胞系活性はサブマイクロオーダーの強力なものが存在し、特に化合物4-6で選択性は優れている(Table 2)。クロロ5とブロモ6では活性に大差はないが、脂溶性の低いクロロ基に限定して、最後にイミダゾピリジン置換基を最適化(Table 3)。しかし、元の5に比べてメリットが見いだせないので、この化合物5を代表化合物にプロファイリングした。キナーゼドメインの相同性の高いインシュリン受容体チロシンキナーゼに対する高い親和性を有していた。さらに69キナーゼをプロファイリングした結果、JNK1、JNK2、ERK8のみに1μMで80%以上の阻害活性を示した。PKは優れている。

一見するとCDK2に非常に強い活性を持っていて、最適化には躊躇しそうになるが、CDK2のPhe82の1残基を狙う事で一挙に大逆転する事に成功した。予期してデザインしたのかどうかはわからないが、CDK2の活性を消失させるのにPhe82は狙いどころになりそうだ。
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