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11βHSD1阻害薬、各社の独自の骨格で新規性発揮

Lepifre F, Christmann-Franck S, Roche D, et al. Discovery and structure-guided drug design of inhibitors of 11beta-hydroxysteroid-dehydrogenase type I based on a spiro-carboxamide scaffold. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(13):3682–5.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19450980

Roche D, Carniato D, Leriche C, et al. Discovery and structure-activity relationships of pentanedioic acid diamides as potent inhibitors of 11beta-hydroxysteroid dehydrogenase type I. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(10):2674–8.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19395260

Neelamkavil SF, Boyle CD, Chackalamannil S, et al. The discovery of azepane sulfonamides as potent 11beta-HSD1 inhibitors. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(16):4563–5.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19625185

Wang H, Robl JA, Hamann LG, et al. Generation of 3,8-substituted 1,2,4-triazolopyridines as potent inhibitors of human 11β-hydroxysteroid dehydrogenase type 1 (11β-HSD-1). BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY LETTERS. 2011;1.
Available at: http://dx.doi.org/10.1016/j.bmcl.2011.05.101


第1報の11βHSD1阻害薬の報告の特筆すべき点は単なるSBDDを利用しただけでなく、メルクがブラジキニン受容体拮抗薬でブレイクスルーを起こしたトロプインゴールド相互作用のできるシクロプロピルカルボキサミド構造を、11β-HSD1阻害薬でも利用している点である。元々はヒット化合物自体にこの部分構造が含まれており、蛋白の結晶構造へのドッキングから、まず、スピロクロマン構造をスピロピロリジンへと変換した。市販のスピロ系化合物を導入してSARを取得、再び結晶情報を活かしてデザインし、シンプルな化合物13を見出した。ヒット化合物から分子量は100低下し活性は5000倍改善、0.5nMと極めて強力で、その結合効率指数BEIは32.7と極めて高い。HSD-2に対する選択性は4000倍以上である。シクロプロピルを除去すると活性が500倍近く低下する場合もあり、結晶構造を見ても、シクロプロピルとカルボニルのππ超共役的相互作用、トープインゴールド効果が効いている事が理解できる。自社ナレッジを活かした部分構造をライブラリーに組み込んでおく事で、異なるターゲットでそれが活かされ、シナジー効果を発揮している。

第2報はメルクの別系統の報告で、SARは結合効率インデックス(BEI)を指標に最適化している。1.2μMの活性を有する化合物1から左側部分をライブラリー合成を検討したが、ほとんど良い化合物は見つからず、2-アダマンチル体14で1.8μMの活性を示す程度であった。1-アダマンチル体12で活性が激減した事から、疎水性ポケットにジャストフィットさせる必要があると考えられた。次に右側カルボン酸をアミド化で最適化した結果、アニリドで活性が強かったが、代謝物毒性のリスクを懸念して候補には入れず、脂肪族アルキルアミドで分子量が小さく活性の強いシクロプロピルアミド27で7乗の活性と高いBEIが確保された。リンカー中央部のシクロヘキサンが疎水性相互作用かトロプインゴールド相互作用によるコンフォメーション固定化の寄与かを見極める為に、無置換体25を合成したところ活性は消失、ジメチル体26で活性は向上する結果となった。アミドをアイソスターのオキサジアゾールにしたところ活性は向上したものの代謝安定性は低下した。最後にアダマンタン部分の変換は、DPP-IVや他の11βで利用されているカルボキサミドやヒドロキシルタイプを利用して、9乗の活性を示し経口吸収性を示す化合物33、34を見出している。

第3報は、現Merck当時シェリング社の11βHSD1阻害薬で、4-置換ーアゼパン構造が特徴的である。ヒットのアゼパン構造はピペリドンの環拡大反応から合成している。11βHSD1ではよく観測されるSARとしてtBu基が活性保持と種差の軽減に寄与している。代表化合物30はヒトでは3 nMの活性だが、マウスでは57 nMと20倍の開きがある。低分子でも4ー置換ーアゼパンのようなシンプルだが新規性ある構造を持っている事がポイントになっている。

第4報は、BMS社の11βHSD1阻害薬の研究で、Fig. 1にある構造1のモチーフから、2のカルボニルとピリジン窒素を固定化した3,チオールリンカーをエーテルリンカーにした4,側鎖を変換した5によって新規性を発揮し、11 nMの活性を確認した(Fig. 1)。改めてメチルエーテルリンカーを最適化(Table 1)、直結エーテルリンカーを見出し、右側側鎖を変換し、代謝安定性を含めたSARを取得し、化合物38がPXR、代謝安定性を克服したリード化合物となっている。

テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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