スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

グローバル創薬に向けて4つのレッスン

Elliott RL. Four Lessons from Global Health Drug Discovery: Medicine for an Ailing Industry? ACS Medicinal Chemistry Letters. 2012:120802152331004.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ml3002105

1個の新薬を創出するのにかかる研究開発費が年々増加している(Fig. 1)。ここではビル・メリンダ・ゲイツ財団のリチャード・エリオットが打開策としての4つのレッスンを提案する。

レッスン1:当たり前の事だが、実践され難い事、すなわちターゲットベースではなく化合物ベースで研究を進めるべきという事。GSKでは抗菌剤の研究で70種類のターゲットに対してHTSスクリーニングを実施したが、この手法では厳しい事を学ぶ結果となった。疲弊するような努力の結果、ヒットが出たのは僅か16のターゲット、リード化合物が得られたのはたったの5ターゲットであった。また、2000年初頭から製薬企業は肥満薬の研究に注力してきた。非臨床でのげっ歯類でのモデルでは薬効が確認できたとしても、臨床開発には進める事ができなかった。この厳しい結果から学ぶべきである。摂食を止めるのは必ずしも良い作用によるとは限らない。毒性の為かもしれないのである。研究者は都合の悪い事は認めたくないが、実際のところ、還元主義的な単一ターゲットで物事を説明するのは不可能なのである。一方で、マラリアの研究では500万化合物をフェノタイプベースのスクリーニングで1μM以下の活性を持つ化合物を2万5千化合物特定し、その後の研究でターゲットとの関連を調べて研究する事が結果につながっている。

レッスン2:ライブラリー公開と共有の重要性。自社のライブラリーはユニークな化合物が揃っていて優れていると信じている研究者がいるが、必ずしもそうではない。非営利団体では化合物を共有して活用しており、こちらの方が効率的である。特許面での懸念はあるかもしれないが、ヒット化合物で知的財産権を狙うのではなく、最適化された化合物によって特許をとる事を考えれれば良い。

レッスン3:オープン・マインドとリスクをとる事。たとえばリピンスキー・ルールは危険信号であって犯してはならない掟ではない。Fig. 2に示した薬剤を見れば明白である。もしリスキーなビジネスに従事していてそのリスクに成功の本質があるなら、挑戦すべきである。挑戦の仕方にはグラントに申請するといった色んな方法がありえる。

レッスン4:長期戦略を持つ事。間違いなく賛同できる点は、最も成功した企業は持続的なビジョンを持って行動している点である。満たされていない医療ニーズの領域をとりあげるのは難しい事ではない。アルツハイマー病、がん、糖尿病をピックアップし、そのビジョンが達成されるまで、戦ってみてはどうか?
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。