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オープンイノベーション型創薬のボトルネックを解除する4つの戦略

Ekins S, Waller CL, Bradley MP, Clark AM, Williams AJ. Four disruptive strategies for removing drug discovery bottlenecks. Drug discovery today. 2012;00(00):1–7.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23098820


創薬ビジネスモデルがクローズドからオープン・イノベーション型へと変貌し、新たなボトルネックが発生してしまった。ここではそのボトルネックを解除する4つの戦略を提案する。まず第1に社内でのHTSのような技術を大学や公的研究機関との連携で代替しようとしたが、パブリック・ドメインのデータベースの質は低いという新たな問題にぶち当たってしまった。まず最初の提案は、NIHや公的機関は最低限のデータ品質基準を設定し、データの提出には厳格なタイムラインを決め、公的研究費で得られたデータは全てオープン・アクセスできるようにすべき、という事である。また、公的研究費の助成を受けた研究の成果報告は、直ちに無料でアクセスできるようにする事で、ナレッジ不足のボトルネックを解除しうる。第2のボトルネックは公的・私的機関のパートナーシップ(PPP)もしくは共同研究が想像以上に機能していない、という問題がある。その理由は主に知的財産(IP)に起因している。研究機関にとってはIPが共同研究の主たるインセンティブになるので、IPが共有できるならば連携はするが、一方で排他的に独占したいという思惑が働く為に、共同研究が進まないのである。そこで、ここでのボトルネック解除の提案は、IPがまだ発生しない前競争的研究に共同研究の範疇を広げ、後々の研究の方向性を設定する為の基礎研究型共同研究を推進する事で、IP面でのコンフリクトを回避し、かつ生産性の向上につながると考えられる。第3の問題は、学際やCROとの共同研究では、情報共有にミスコミュニケーションが起こりうる、という事である。情報やデータはサイロ化された組織の全てのレベルで存在している。サイロ化される理由はタキソノミーやオントロジーに由来する技術的な問題ではなく、文化や風土に根ざした問題である。このような非技術的な問題は部門・組織横断的なデータ解析の共通認識を阻害する。とりわけ臨床に関しては開示される情報が限定的であり、一方で自社のデータは十分にわかっているので、組織によって情報の濃淡が生まれてしまい、ミスコミュニケーションの原因になる。このような問題を解決する提案は、FDAが音頭をとって関連する臨床データを積極的に開示し、共有し、創薬死の谷を埋め合わせるように働きかける事だと考える。最後の4つ目の課題は、FDAやNHSが話題に挙げている患者データの解析やビッグデータを如何に有効活用するかである。ビッグデータは指数関数的に増加しており、人々は知らず知らずのうちに貴重な情報をネット上に提供しているので、ソーシャルメディアやウェブからこれらを抽出して利用すれば病気の広がりの予測や健康状態を監視する事ができる。創薬研究では、安全性解析やドラッグ・リパーパシング、ソーシャル・メディアを利用したセンチメント解析によるマーケティングに興味がシフトしている。この課題に関するストリーム・マイニング・ツールとして、Teranode, Ceiba, Swarmologyが利用できる。スワーム・インテリジェンスは、バイオ・インフォ系人工知能で、様々なソーシャル・ネットワークのようなサブグループから健康に関連したデータに加え、リアルタイムでもデータを追跡する事ができ、これを統合してソリューションを提供する。また、同時に最適な共同研究者を発見する事が重要である。これを目的にコラボレーション・ファインダーのようなツールを利用する事ができる。最後のボトルネック解除の提案は、ソーシャル・メディア上に存在する患者の生の声に耳を傾け、これをマイニングし、オフターゲット情報などを取得する事である。また、コラボレーション・ツールを使って適切なイノベーターを発見する事である。

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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