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基本に忠実、積み重ねた変換で新規性獲得

Whitlock GA, Brennan PE, Roberts LR, Stobie A. Potent and selective alpha1A adrenoceptor partial agonists--novel imidazole frameworks. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(11):3118–21.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19394220

ファイザー4報目のα1A部分作動薬、ここまでに既にテトラヒドロナフタレン1及びジヒドロインダン2を見出しており、これを起点にさらなる新規ケモタイプの創出を検討している。α1A部分作動薬は、イミダゾールとベンゼン環のファーマコフォアを適切な距離に配置する必要がある。その為に、母核をモーフィング、すなわちベンゼン環の移動(4)、ベンゾクラッキング(5)、窒素シャッフル(7)、環拡大ー縮小(6)したテンプレートをデザインして合成した。αアドレノレセプター作動薬にはイミダゾールのNHがほぼ必須であるにも関わらず、化合物6、7のようにNHがアルキル化されたものでも活性があるという興味深い結果が得られている。活性面で有望なテンプレート5、6を最適化し、テンプレート6でニトリル基を有する28は、良好な活性と選択性、優れた代謝安定性、PAMPA膜透過性、MDRで問題がなく、hERG阻害作用は弱く、優れたADMEプロファイルと中枢移行性を示した。なお、Emaxの70−80%は腹圧性尿失禁治療薬としてはまだ高すぎるので、続報でAMDEとCNSプロフィアルを保持したままEmaxの低下とEC50向上のデザインを報告するとしている。目的化合物はαβ不飽和エステル17にニトロメタンをマイケル付加させ、ニトロ基を還元と同時にラクタム閉環、アミド部分をイミダゾールに変換して合成できる。上記変換はいずれも創薬化学の教科書「The practice of medicinal chemistry」にも紹介されるベーシックでオーソドックスな変換であるが、このようなマイナーチェンジで一つ一つの作業仮説を確かめながら変換すれば、これが2段階以上成立した時に新規性が高まってくる。その過程で、ここであるようにイミダゾールのNHが必ずしも必須でないという新たな知見が得られるケースもある。まさしくそのエッセンスは、教科書内に記載されている「Thus in the strategy everything is very simple, but not necessarily very easy」の言葉で全てが語られるようだ。
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