スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アンカー理論で無駄な置換基をあぶりだす

Letourneau JJ, Riviello CM, Li H, et al. Identification and optimization of novel 2-(4-oxo-2-aryl-quinazolin-3(4H)-yl)acetamide vasopressin V3 (V1b) receptor antagonists. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2010;20(18):5394–7.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10010875

バソプレシン拮抗薬はサノフィのSSR149415がフェーズ2で先行しているが、リガンド社・メルク社は、別ケモタイプ探索の検討を行った。リガンド社はエクリプスという技術を使って300万化合物を合成し、これをスクリーニングする事で化合物1のヒット化合物を見いだした。活性は0.2μMと弱く、分子量は600以上、フレキシブルな分子で極性表面積は大きく脂溶性は高いという点でノンドラッガブルな化合物である。ここでのリガンド社の解析手法が興味深い。リガンド効率の概念の最初の起源とも言うべき1984年に提唱されたピーター・アンドリューのアンカー理論に基づいて結合エネルギーを計算、その値は18.3 kcal / molと実測の9.2 kcal / molを遥かに上回るものであった事に注目した。この事は、化合物1が置換基を不適切もしくは無駄に使っている事を意味し、それらを排除する事で低分子化し、ドラッガビリティを高められると考えたのである。この仮説の元に、側鎖のイソプロピル基が外せる事、チロシン残基を除去できる事、アミンは外せない事を確認(Table 1)。次に確認された必須置換基を残して側鎖を最適化し、見いだした化合物24は分子量500以下で極性表面積と脂溶性を共に低下させ、活性は120 nMに改善し、サブタイプ選択性に優れたプロファイルを示した。

 先に述べた通り、ピーター・アンドリューのアンカー理論は、その後のアンドリュー・ホプキンスが提案したリガンド効率(LE)が一般的指標として利用されている。よりわかりやすくこの手法を説明するなら、LEが低いリード化合物は無駄な置換基を見つけて排除して低分子化を目指し、側鎖をチューニングする事でLEを向上させるアプローチである。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。