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プリビレッジド構造の活用、LE, LLEを指標に開発品選出

Johnson PS, Ryckmans T, Bryans J, et al. Discovery of PF-184563, a potent and selective V1a antagonist for the treatment of dysmenorrhoea. The influence of compound flexibility on microsomal stability. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2011;21(19):5684–7.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X11011231



昨日に引き続き、ファイザー社のバソプレシン1a拮抗薬で月経困難症(生理痛)治療薬を狙っている。先行品としてレルコバプタン1が臨床入りしてPOCを確認しているが、ファイザーでは別ケモタイプとしてオキシトシン受容体拮抗薬で実績のあるトリアゾール系2を検討した。脂溶性が高くLLEは1.4であるが、ビフェニルを含ヘテロ原子の芳香環ピリジンと飽和環ピペリジンにした3でclogは一挙に3低下、活性はほぼ保持したのでLLEも4.4と大幅に向上した。トリアゾール側鎖のR1を変換してLLE 5.3で活性9 nMの活性を持つ7fを見出すが、代謝安定性は低い(Table 1)。R2に極性基を導入して改善を試みるが、ピペラジン8hやカルボン酸8iは活性が大幅減弱、トリアゾール8jは脂溶性の低下と活性保持によりLLE7.0とベストプロファイルだが代謝安定性は悪い。代謝安定性を脂溶性と回転結合でプロットしたところ、回転結合数は4以下で良好な値となり、逆に回転結合数が7以上ではclgoP<1..5であっても代謝安定性は低かった。この解析結果から、代謝安定性改善への道筋を固定化に求め、環化した12, 13をデザイン、合成した(Scheme 2, Table 2)。活性、脂溶性、LLEと代謝安定性を両立させた代表化合物13d, e, g, hはCYP阻害で懸念がなく、13e, 13hはオフターゲットV1bやOTに対する選択性が低いので、ドロップ、一方で13d, gはマイクロオーダーのオフターゲット活性で良好、hERG阻害も弱い。13gは小核試験陽性でドロップ、一方で代表化合物13dは染色体異常・昇格試験共に陰性なので代表化合物PF-184563に選定した。イン・ビトロでのヒト肝代謝からピリジンオキシドが主代謝物、N脱メチル化がマイナー代謝物として推定、単一種スケーリングから、ヒトの経口吸収性は75%、血中半減期は3.5時間と予想、臨床試験へと進んだ。GPCRでは共通の母核・プリビレッジド構造から多様な受容体活性を引き出せるが、ここではバソプレシンとオキシトシンの共通点をもつトリアゾール系化合物をうまく活用した。さらに、代謝安定性改善の方策:代謝部位をブロックする、脂溶性を低下させる、それでダメなら固定化させる、という基本に忠実にデザインし、それをデータで示して、化合物選定の流れと、非臨床動物からヒトPK予測を示した好例である。
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