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収集された情報を元に構造をドラスティックに変換、新規性獲得

Garton N, Bailey N, Bamford M, et al. Discovery of biaryl inhibitors of H+/K+ ATPase. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2010;20(3):1049–54.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20053560

GSK社のP-CABの報告では、昨日は他社化合物の周辺SARを公開していたが、ここではスキャッホールド・ホッピングとしては目が覚めるようなドラスティックな変換を実践している。イミダゾピリジン系化合物1a(AR-HO47108)は臨床試験で毒性が報告されている事もあり、本研究の展開には母核の変換によって新たな方向性を切り開く必要があった。この際に、母核の変換では取得済みのSARから、
1)イミダゾピリジンのジメチル基によって小さな脂溶性ポケットを埋めておく事の重要性、
2)ペンダントフェニル基はイミダゾピリジンに垂直に立っている、
3)ビボで作用を示すにはプロトン化する必要があり、マイルドな塩基性によって標的臓器への濃度を向上、細胞系での活性を向上、
が必要という点をデザインの必須条件に据えた。さらに元のケモタイプの弱点であるベンジルアミン部分が代謝部位になる事を意識した構造変換を指向した。そのドラッグデザインは、
1)イミダゾピリジンを単環のイミダゾールにし、
2)メチルアミンリンカーをごっそりベンゼン環に置き換えて、
3)ペンダントフェニルのオルト位にジメチル基を導入して垂直に立たせる、
という戦略で設計された化合物2cである(Fig. 1)。元の1aと2cを見比べると、その構造はドラスティックに変化しているが、重ね合わせでは重要なファーマコフォアはバッチリ重なっている。イミダゾピリジンの縮合環を切断し、ペンダント側で巻き直したとも見なす事ができるが、メチルアミンリンカーを芳香環にしてしまう点と環の切断を同時にやってしまうのは勇気の必要な変換であるが、その構造は合目的的である。とはいえ、デザインした化合物2cの活性は二桁落ちており、これをリードに最適化が開始された。予想どおり、ペンダントフェニルのオルト位のメチル基はフェニル基を垂直に立てる為に必要、ビアリールにリンカーを挟むと活性は減弱(Table1)。イミダゾール部分は、置換基のジメチルは重要(Table 2の2c, 3a)、このジメチルを巻いたベンズイミダゾールは活性減弱(Table 2の3c)、イミダゾールのNHをメチル化すると2面角がツイストしてジメチル基が望まぬ方向に入ってしまう為か活性は減弱(3e)、他の塩基性芳香環である、ピリジン、ピペラジン、エチルアミン、さらにイミダゾールのNをシャッフルさせた化合物で活性は減弱した(Table 2)。最後に中央ベンゼン環を最適化、6位メトキシ基導入で活性は向上(Table 3)、イミダゾールNHとの水素結合でコンフォメーションがロックされたと推定している。2位メトキシ基では水素結合可能なはずが活性は減弱、最後にリンカーフェニルをピリジン、フラン、チオフェンと変換したが活性は向上しなかった(Table 3)。ベスト化合物6bはまだ活性は最初の1aに比べて1桁弱いが、今後の最適化のリードになる、としている。
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