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毒性リスクのビアリールアミン脱却:オルト置換ベンゼンを置換シクロプロピルに変換

Qiao JX, Cheney DL, Alexander RS, et al. Achieving structural diversity using the perpendicular conformation of alpha-substituted phenylcyclopropanes to mimic the bioactive conformation of ortho-substituted biphenyl P4 moieties: discovery of novel, highly potent inhibitors of Factor Xa. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2008;18(14):4118–23.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18550370

Qiao JX, King SR, He K, et al. Highly efficacious factor Xa inhibitors containing alpha-substituted phenylcycloalkyl P4 moieties. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(2):462–8.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19046881

BMSのファクターXa阻害薬ラザキサバンの発見以降の研究は、潜在的な毒性リスクとなるP4部位ビアリールアミド構造の脱却に集中している。ここではシクロプロピル基をベンゼン環の代替基として利用したデザインを展開する。すなわち、ラザキサバンを始めとしたBMSのFXa阻害薬はオルト置換ビアリール構造を有しているので、この末端フェニル基をシクロプロパンに置き換えている。シクロプロパンは、α位に置換基がないと、隣接するベンゼン環に対して、ビセクテド構造の方が垂直構造より安定と計算から推定された。しかし、α位に置換基が入ると、垂直構造が安定との計算結果が得られ、これはNMRやPESの実験からも確かめられた。よってお互いのベンゼン環がほぼ垂直に歪んだオルト置換ビアリール構造は、隣接ベンゼン環に対して垂直に捻れるα置換フェニルシクロプロパンでミミックできると期待される。ベンゼン環をシクロプロパンに置き換える事で、低分子化、代謝安定性の改善が期待される。実際に合成したα置換シクロプロパンタイプは、相当する置換基を有するビフェニルタイプよりも強い活性を示した。中でも、側鎖にアミンタイプを有する化合物は、0.021nMという強力な活性を示し、他にも複数個のピコモルオーダーの活性を示す化合物が得られた。また、アミンをスルホンアミドやアミドに変換しても活性は減弱しなかった。ビフェニルタイプではこれらの置換基変換では活性は減弱するが、これはシクロプロパンによって溶解度が改善され、脂溶性が低下するなどの効果が反映した為と推定している。ここで得られた化合物は、ビフェニルタイプの化合物よりも活性に優れ、代謝安定性は改善され、動態面もすぐれている。第2報はこの発展形で、シクロプロパンへの変換が可能になった事で、これだけバラエティーにとんだ置換基変換が可能となった事が理解できる。

オルト置換ビフェニル構造は、ファクターXaのみならず、AT1、アンジオポエチン、ブラジキニンなどGPCRをはじめとした様々なプロテオームに含まれるプリビレッジド構造であり、等価体的変換として汎用性のある有用な変換になるかもしれない。
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