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オーロラキナーゼ阻害薬VX-680:GSK3βに対する選択性獲得、溶解度改善、結晶情報を活かして最適化

Bebbington D, Binch H, Charrier J-D, et al. The discovery of the potent aurora inhibitor MK-0457 (VX-680). Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(13):3586–92.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19447622

オーロラ・キナーゼ阻害薬のファースト・イン・クラスとして開発されていたMK-0457(VX-680)の報告。ベルテックス社で見出されており、これをメルクが導入して開発している。フェニルキナゾリン系のヒット化合物から出発し、まずホモロジーの高いGSK3βとの選択性獲得の為にフェニル基部分を最適化、得られた化合物21でPOCをとり、さらに溶解度を含めた物性面の改善の為に、2環性キナゾリン構造を単環のピリミジンに変換、オーロラ・キナーゼの結晶情報を活かして置換基を最適化して、VX-680を見出した。慢性骨髄性白血病(CML)では原因となるBCR-ABL融合タンパク質の活性を阻害するイマチニブ(グリベック)が広く利用されている。一方で、この変異体に対してイマチニブが有効でない患者を対象にダサチニブ、ニロチニブが開発され、ダサチニブは欧米で認可され、ニロチニブは欧米で申請されているのが現状である。しかし、この両薬剤でも有効性がないBCR-ABL突然変異体としてT315Iが存在するが、MK-0457(VX-680)ではT315I変異を持つCML患者でも効果を発揮するという画期的な臨床成績が確かめられた。MK-0457はオーロラキナーゼの他にFLT-3キナーゼ、JAK-2キナーゼ、BCR-ABLキナーゼを阻害する活性を持つマルチ阻害作用を示す。MK-0457はフィラデルフィア染色体が陽性でT315I変異を持っていた2人の急性リンパ性白血病患者でも血液学的、細胞遺伝学的効果が確認され、JAK-2を活性化する変異を持つ骨髄増殖症候群患者9人中6人でも臨床的な反応が見られた。現在は開発が中止されているが、ファースト・イン・クラスとしてPOCが取得された化合物である。
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