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バーチャルスクリーニングで効率化

Varnes JG, Forst JM, Hoerter TN, et al. Identification of N-(2-(Azepan-1-yl)-2-Phenylethyl)-Benzenesulfonamides as Novel Inhibitors of GlyT1. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010. Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10008590.

アストラのGlyT-1研究のヒット探索はバーチャルスクリーングから開始される。GlyT1阻害薬の文献情報からファーマコフォアモデルを作成し、バーチャルスクリーニングを実施、類似度によるクラスター分け、中枢薬に相応しい物性でフィルターをかけ、反応性やトキシコフォアを有する化合物を外し、セレクションした1万5千化合物をアッセイした。その結果、1.4±0.1μMの活性を有するヒット化合物1が見いだされた。この化合物は、GSKのフェニルスルホンアミドやサノフィのSSR504734に含まれるベンジルアミンといったGlyT1に特徴的な部分構造を含んでいる。このケモタイプの可能性を見極める為に、SARを取得する事とした。アミン部分は環サイズを大きくジアゼパンで活性向上、小さくしたり、環切断、塩基性低下といったデザインではことごとく活性は減弱するので変換の余地は低い(Table 1)。活性の向上したジアゼパムに固定化し、スルホンアミドを変換、溶解度と活性のバランスをとれるのはフェニルスルホンアミド(Table 2)。フェニル基上の置換基変換の結果、パラ位にトリフルオロメチル基や黒路気が効果的(Table 3)。ベンジルのフェニル基上の置換基を最適化したところ、オルト位にメトキシ基を導入して活性と溶解度が向上した。代表化合物39は37 nMで脳内移行性にも優れている。

ランダムスクリーニングでライブラリー化合物を根こそぎスクリーニングするのも良いが、一方でバーチャルスクリーニングを使えばこのように最初のアッセイを効率的に絞り込んでリガンド探索ができる。脳内移行性といった物性パラメーターを組み込む事でさらにその精度は高める事ができる。仮に100万化合物のライブラリー、アストラクラスなら200万化合物は持っているだろうか、1化合物アッセイするのに30円とすると全てをスクリーニングするのに6000万円のコストがかかる事になる。一方で、ここで示したように1万5000化合物に絞るとそのコストは僅かに45万円。また、いくらハイスループットスクリーニングとはいえ、200万化合物を評価するのと1万程度で済ませるのでは圧倒的にかかる時間に差がでる。まさにアイデアによる無駄の排除と研究の効率化、費用カットのモデルケースとも言える。
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