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天然物は創薬のヒント

Newman, David J; Cragg GM. KDGI. Chapter 8.pdf. 2008:159–186.
Available at: http://www.sciencedirect.com/science?_ob=ArticleURL&_udi=B8KS4-4SW8G41-1S&_rdoc=3&_hierId=35951000003&_refWorkId=4455&_explode=35951000003&_fmt=high&_orig=na&_docanchor=&_idxType=TC&view=c&_ct=8&_acct=C000012498&_version=1&_urlVersion=0&_userid=2645672&md5=65c85c58240b2f52264cffb5537295e2.

The Practice of Medicinal Chemistryの第8章では、リード探索での天然物についてまとめられている。ここで述べらているのは単なる天然物の羅列ではない。医薬品の中で天然物、その誘導体、天然物を母核に持つ医薬品がどの程度存在するか、なぜ天然物がユニークな活性を持ちうるか、そして、実際の応用まで紹介されている。抗ガン薬として存在する天然物が、Fig. 8.3を見ると、細胞分化増殖過程で各ターゲットにどれほど多くのものに作用しているかに驚かされる。また、天然物は必ずしも薬としての最終形態ではなく、新規性の高いリードになりうるし、魅力的ユニークな薬効発現も期待できる。その理由は、コンビケム合成と違って、生命によって培われた代謝産物に全く無意味なものはなく、何らかのタンパクに相互作用する事が宿命づけられているからである。旧シェリング・現メルクで見出したバイトリンは元々ACAT阻害薬として研究していたβラクタム抗菌作用の天然物であり、結果的にメカニズム不明のコレステロール合成阻害薬となった、というのも深い意味を持っているように感じられる(Fig. 8.8)。最近では、コンビナトリアル生合成が展開されており、遺伝子工学を利用して新規な天然物を合成する事が可能となり、新規ライブラリーの構築も行われるようになっている。一方で、スクリーニング技術の進化によって、メルクの過去のライブラリーからアンチセンス法でアッセイして見出されたプラテンシミシンが多剤耐性抗菌薬となる事が最近見出された例もあり、技術の進歩が過去のテーマ、化合物を見直すきっかけになる事が理解できる。古くはACE阻害薬のカプトプリルはガラガラヘビのペプチドからミミックしたものであり、このようにデザインされた化合物も天然物ライクと言えるだろう。筆者は、コンビケム化合物に比べて天然物がヒットしやすいもう一つの理由は、生体内のファンクションとなる置換基が多いためと考えており、この観点でも天然に存在するリガンド(内因性ペプチドも含めて)はドラッグデザインのヒントを与えてくれる。この章を読むと、天然物はディスクリートな最終物ではなく、創薬に数々の有益な情報とヒントを与えてくれるものに感じる事ができる。
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テーマ : 科学・医療・心理
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