スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

インドール骨格に強力な電子吸引基導入で開発化合物ラロピプラント創出

Sturino CF, O’Neill G, Lachance N, et al. Discovery of a potent and selective prostaglandin D2 receptor antagonist, [(3R)-4-(4-chloro-benzyl)-7-fluoro-5-(methylsulfonyl)-1,2,3,4-tetrahydrocyclopenta[b]indol-3-yl]-acetic acid (MK-0524). Journal of medicinal chemistry. 2007;50(4):794–806.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17300164

Merck社のプロスタグランジンD2受容体拮抗薬MK-0524(ラロピプラント)の創製では母核をインドール骨格に持つ化合物の最適化であった。ヒット化合物のインドール誘導体は代謝安定性が良いにも関わらず、血中半減期が短く、クリアランスが高かった。この原因を胆汁酸排泄が原因と実験的に推定した。ベンジルパーツや酢酸パーツは活性発現に必須で変換する事ができなかった。一方でインドール5位のメシル基をフッ素に変換すると、胆汁酸排泄を回避する事ができた。TPに対する受容体選択性は低下し、代謝安定性はむしろ悪化したが、経口吸収性は問題ないレベルに改善され、血中半減期は長くなり、クリアランスが改善、動態面で良好なプロファイルを示した。次にインドール7位の変換に着手し、メシル基を導入した化合物MK-0524で、0.57 nMの結合活性を示し、ラットで持続的で(t1/2 = 7 h), クリアランスが低く(2.4 mL min-1 kg-1)、胆汁酸排泄を受けにくく(Cmax = 103 μM)、
79%の良い経口吸収性を示した 。また、マウス、イヌ、サルでも良好な動態を示した。1位5位無置換のインドールは、5位が酸化的代謝を受けるとキノンイミンを形成して、バイオアクティベーションによる毒性発現につながる事が知られているので、本系統ではバイオアクティベーションの試験を実施している。5位にフッ素を有する化合物は代謝安定性が悪い為にバイオアクティベーションのリスクは必然的に高まってしまう。この骨格の場合は、インドール3位に結合したメチレン部分が水酸化され、脱水してインドール1位とイミニウムカチオンを形成して毒性発現につながる事が懸念される。しかし、ここで、7位に強力な電子吸引基であるメシル基を導入する事でイミニウムカチオンが不安定化し、このリスクを劇的に低下させる事に成功した。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。