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ラロピプラントのバックアップ:独自の合成法を母核構築に適用

Leblanc Y, Roy P, Dufresne C, et al. Discovery of potent and selective DP1 receptor antagonists in the azaindole series. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(8):2125–8.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19307115

Merck社ではインドール系化合物にバイオアクティベーションのリスクがある事を理解していたので、これに電子吸引性のメタンスルホニルとフッ素を導入してそのリスクを最大限まで低下させたプロスタグランジンD2R受容体拮抗薬MK-0524を見出し、さらにそのバックアップとして、(かつてCOX阻害薬インドメタシンのデザインでも利用された)窒素シャッフルをDP1R研究に適用して化合物2を見出した。ここでは、母核そのものの毒性リスクを回避する方針へと展開し、電子欠損性のアザインドールへと発展させた。合成法として、インドールエステルの合成法ではアジドフェニルアクリル酸エステルの熱分解を利用したヘメツベルガーニッテル反応に着目、アザインドール合成への応用を検討、それによってアジドピリジンアクリル酸エステルから種々のアザインドール合成法を見出した(Synthesis, 2005, 16, 2751)。こうして独自に見出した合成法を、このDP1受容体拮抗薬の誘導体合成に適用している。その一例として、候補化合物の11bは、通常のハンシュのピリジン合成でピリジンエステル13を合成、エステルを還元、酸化によってアルデヒドとした後、メチルアジドアセテートと縮合、熱分解によってアザインドール15を合成した。次にメチルアクリレートにインドール1位がマイケル付加、ディックマン縮合の後に脱炭酸でケトン体8を得、ホーナーエモンズでカルボン酸パートを増炭、インドール3位にジクロロフェニルジスルフィドを塩化チオニルで処理してチオエーテル化、最後にエステル加水分解で目的の4置換アザインドールを合成した。また、中間体8は別法として、クロロアザインドールとスチレカップリング、水素添加によってイソプロピル化しても合成できる。興味深いのはMK-0524(ラロピプラント)では光学活性体で活性に差があるのに、ここでの11a, bはエナンチオマーで活性に差がない。化合物11bはサブナノモルオーダーの強力な活性と高い選択性、良好な動態を示すために、さらなる最適化のリードとした。
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