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利用価値ある共有結合モディフィア

Potashman MH, Duggan ME. Covalent modifiers: an orthogonal approach to drug design. Journal of medicinal chemistry. 2009;52(5):1231–46.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19203292


反応性置換基を有する低分子化合物は、蛋白との非特異的結合を起点としたバイオアクティベーションによって、発生頻度は低くても重篤な毒性を引き起こしうる。一方で、ターゲット特異的な共有結合の形成は、薬効発現に有利に働きうる。このような共有結合モディフィアは、生理学的な条件では反応性は低く、ターゲット蛋白の適切なポケットに配置した際に反応するのが理想的である。この概説では、共有結合モディフィアの実例をFDA, EMEA, CAS, IDdb, PDRのデータベースから収集して紹介している。アシル化反応を利用するタイプとして、抗肥満薬オリスタットがある。アルツハイマー治療薬としてアセチルコリンエステレーゼの活性中心のセリンと可逆的に結合するドネペジル、ガランタミンがある。アスピリンはCOX阻害薬の中で、唯一活性中心のセリンと共有結合阻害を示す化合物である。これらは非可逆的に結合するリバスチグミンに比べて安全性に優れている。脳梗塞、心筋梗塞治療薬の血小板凝集阻害薬プリノセプターP2Y12阻害薬クロピドグレルは、CYP1Aによって代謝されたオキソチオフェンが加水分解、ジスルフィド結合を形成して非可逆的に阻害する。ジスルフィド結合形成としてはオメプラゾール、ランソプラゾールの事例が知られている。またEGFR/HER-2阻害薬のHKI-272はマイケル付加によって非可逆的に阻害する。ノバルティス社のDPP4阻害薬ビルダグリプチンのシアノピロリジン部分がセリンプロテアーゼの活性中心でイミデート結合を形成するし、メルク社のカテプシンK阻害薬オダナカチブはシアノメチル部分がシステインプロテアーゼの活性中心でチオイミデート結合を形成する。共有結合モディフィアをうまく利用すれば強力な活性と高い選択性を有する化合物をデザインする事ができ、メディシナルケミストは、そのウォーヘッド部分の反応性をファインチューニングできる。非臨床では、カスパーゼ阻害薬、MMP13、THR、FAAHが共有結合モディフィアを利用している。さらに共有結合モディフィアはFBDDの最初の起点にもなりうる。ここで紹介されている化合物は、実際のところはかなり古いものが多いので、現在のFDAのガイドラインに照らし合わせてみれば、同じように適用してデザインできるとは限らない。当然のことながら、ターゲットや疾患によって、脳梗塞のような急性的なものか、生活習慣病のように慢性的なものか、癌のように生命に関わるものか、生活習慣病のように命に直接は関係しないものか、骨粗鬆症のようなアンメット・ニーズに応えうるものか、生活習慣病のように既存薬で十分に薬効を発現している領域のものかによって使い分ける必要がある。
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