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中枢薬ルールを越えて

Wager TT, Hou X, Verhoest PR, Villalobos A. Moving beyond Rules: The Development of a Central Nervous System Multiparameter Optimization (CNS MPO) Approach To Enable Alignment of Druglike Properties. ACS Chemical Neuroscience. 2010:100330112004019.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cn100008c.

ドラッガビリティの指標(ガイドライン)といえば、clogPといった一つの指標に着眼したり、RO5の各種パラメーターをいくつ犯しているかで判定する。これらは使いやすく分かりやすいという反面、設定された閾値で白黒を付けてしまう為に荒削りな側面は否めない。結果として、これらのガイドラインには多くの「例外」が存在する。完璧なガイドラインをつくる事は不可能であるにせよ、荒削りなガイドラインを滑らかに丸め込み、複数のパラメーターを組み込んで一元化したパラメーターで精度を上げようというのがこの報告の狙いである中枢薬ガイドラインCNS-MPOである。

データセットは前報の119種類の中枢性医薬品と108個を利用する。アルゴリズムは、ハリントンによって提案された等差級数的、幾何学的手法によって複数のパラメーターの加重値をとり、一つのパラメーターに変換する手法を採用した。たとえば、リピンスキールールでは分子量500を閾値にその前後で白黒の判定が決定するが、実際には分子は大きくなるに従って徐々にドラッガビリティを失っていくはずである。これをFig. 3のようにMore desirable とLess desirableレンジに分類し、その間の部分は一次関数で橋渡しをして、縦軸にはDesirabilityを設定してスコア化する。分子量や脂溶性はFig. 3のA)タイプのモノトーン減衰関数となるが、TPSAの場合では40-90が望まれるレンジでその前後が減衰するハンプ関数となる。ここでTable 1, Fig. 4に示した6つのパラメーター(ClogP, ClogD, MW, TPSA, HBD, pKa)に対して、それぞれの関数と重みづけ、レンジを設定した。計算方法はp447の式(1)のような計算式で手計算では面倒だが、マクロを組んでおけばACDで計算させたパラメーターから一発変換できる。得られた中枢薬ガイドラインの指標CNS-MPOは実際にADMEプロファイルで比較しても、Fig. 5以降のように非常に良い相関を示している。

もっとも、この指標も完璧なものではなく、改善した中枢薬ガイドラインとして参考程度に利用するものであるが、信頼おけるデータセット、それをデータマイニング、解析、提案と一貫してファイザーの解析力が顕示されている。また、ここでデータセットになっている旧来の医薬品が必ずしも現行のターゲットクラスや審査当局の基準にあてはまるわけではないので、その点は注意することを前提に参考にしたい。
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テーマ : 科学・医療・心理
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