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嘔吐回避PDE4阻害薬MK-0873

Guay D, Boulet L, Friesen RW, et al. Optimization and structure-activity relationship of a series of 1-phenyl-1,8-naphthyridin-4-one-3-carboxamides: identification of MK-0873, a potent and effective PDE4 inhibitor. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2008;18(20):5554-8.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18835163.

PDE4阻害薬は、適切な治療薬の存在しないアンメットメディシナルニーズであるCOPD治療薬、喘息治療薬となる事が期待される。
メルクで見いだされたナフチリジノン系化合物4は、インビトロで0.45 nMの活性を示し、細胞系でも0.18μMの活性を有するが、hERG阻害が強く、QT延長のリスクが懸念された。このケモタイプの構造変換の足がかりとして、別ケモタイプのキノリン系化合物3をナフチリジノン4にハイブリッドさせてホッピングした化合物13を合成したところ、インビトロで8倍、細胞系で60倍もの活性向上が達成された。しかし、hERG阻害にはまだ懸念がある。ナフチリジノン系化合物13と4の知見から、最適化を開始した。

アミド部分は、ピリジンをイソプロピルに変換して分子量低減すると、活性は減弱するもののhERG阻害は軽減できた。イソブチルではタンパク結合率が高まる為か、細胞系での活性は減弱した。3級アミドでは活性は消失した。2級アミドは生体内で加水分解を受け、イソプロピル基は酸化的代謝を受けるので、これをシクロプロピルアミドに変換する事で改善した。キナゾリノン環周辺にメチル基を入れると活性は消失し、N連結フェニル基のパラ位に置換基を入れても活性は消失した。一方で、メタ位には置換基導入が許容された。メタ位にフェニルメチルケトンを導入した10aで、活性は40倍向上したが、細胞系活性には反映せず、hERG阻害が強くなった。メチルケトンをパラ位にシフトした10eでは細胞系での活性が向上し、さらに極性の高いメチルスルホンに変換した10fでは活性を保持したままhERG阻害(23μM)を軽減できた。極性置換基によってhERG阻害軽減の見通しがたった事から、さらにベンゼン環を極性があがり塩による溶解度改善が見込めるピリジン環へと変換した。ジメチルカルビノール基を持つピリジン環に変換された17は細胞系でも活性が強く、hERG阻害が37μMまで軽減された。ピリジン部分は代謝されてピリジンオキシドになり、その為に動態面で問題があった。そこで、代謝物であるピリジンオキシドに変換した結果(化合物18)、活性を保持し、hERG阻害を50μMまで低減できた。ピリジンオキシドをアセチレンで架橋した化合物20は良好な活性を示し、hERG阻害は66μMまで改善できた。

キノリン系化合物3と、ここで見いだされた化合物18, 20は全て良好な薬物動態を示した。一方で、キノリン系化合物3では、CYP2C9阻害が強かったが、ナフチリジノン系化合物は弱かった。また、PDE4阻害薬のクラスエフェクトとして懸念された嘔吐も、これら化合物は薬効量でマージンはとれており、嘔吐毒性との乖離に成功した。インビボとの薬効も含めて検証した結果、化合物20を候補化合物MK-0873に選定し、フェーズ1での薬物動態試験へと移行した。
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テーマ : 科学・医療・心理
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