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フェノール脱却法

Crosignani S, Bombrun A, Covini D, et al. Discovery of a novel series of potent S1P1 agonists. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2010;20(5):1516-9.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20149651.

FTY-720の承認を受けてターゲットバリデーションされたS1P受容体作動薬。FTY-720にはサブタイプ選択性が低い事から、主作用であるS1P1選択的作動薬により副作用を減弱させた次世代末梢血リンパ球減少症治療薬になりうる。メルクは10万検体をHTSにかけ、化合物2をヒットに見いだした。ピリミジンの左側置換基をまず検討、シクロヘキシル基は殆ど変換の余地がないが、アミンをさらにアルキル化する事で活性が向上するとの知見を活かし、置換基の組み合わせ(シクロプロピル基とプロピル基)によってシクロヘキシル基を脱却した(Table 1)。アニリド部分の最適化は、フェノールのオルト位に置換基許容性なく(データ非公開)、メタ位置換基導入は活性向上した。このケモタイプの最大のリスクはバイオアクティベーションのリスクを持つアミノフェノール構造を有している点であり、フェノール基は実際に第二相包合による消失の早さが問題となっていた。フェノールの水酸基をフッ素、メトキシ基、ヒドロキシルメチル基と変換しても活性は激減した事から、フェノールに相当する酸性度が重要と推定。スルホンアミド28(pKa 9.9)は許容されるが、 酸性度の低いアセタミド29(pKa 13.6)で活性は非常に弱い。しかし、化合物28のジアミノフェニルの部分構造ではまだ代謝的毒性のリスクがある事から、リバーススルホンアミド30としたところ、活性は保持、トキシコフォアを脱却、PKもフェノール体20より優れ、クリアランスは低くなった。フェノールの代替基としてアミン性置換基39、40も許容。さらにフェノールアイソスターとして酸性度の高いインダゾール41、42(pKa 13.6)はインドール43(pKa 16.8)に比べて活性が強い。より酸性度の高いベンゾトリアゾール44(pKa 8.6)は活性減弱するが、これは望みの配向をとらないトートマーが存在する為と推定。溶解度の改善と脂溶性低下を目論んで側鎖にカルボン酸を導入した化合物は活性が保存。アゼチジンリンカーでカルボン酸を有するアミノ酸タイプも活性は強いが、カルボン酸を外した単なるアミンだけでは活性は弱かった(データ非公開)。化合物46で30 mg / kgで72%の強力なリンパ球減少を確認すると同時に、赤血球、血小板への悪影響がない事を確認した。
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