スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

高溶解性NK1拮抗薬

Meurer LC, Finke PE, Owens KA, et al. Cyclopentane-based human NK1 antagonists. Part 2: development of potent, orally active, water-soluble derivatives. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2006;16(17):4504-11.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/16831551.

Merckの研究者らは既に、疑非可逆的NK1拮抗薬(逆作動薬)として開発したMK-0869(アプレピタント)で、世界に先駆け、唯一上市に成功している。アプレピタントは、抗癌薬シスプラチンの副作用を抑える制吐剤として販売されているが、溶解度の悪さから静脈投与が困難である。

化合物原体の溶解度向上を指向して、前報で母核をモルホリンからシクロペンタンに変え、活性原体の溶解度改善に着手した。さらに本報では活性と溶解度を併記し、構造活性相関、構造物性相関を取得し、高溶解性NK1拮抗薬の探索を行っている。

20年ほど前に、ファイザーのウィリアム・クラトロらがヒトでの薬効量に対して化合物に求められる溶解度のガイドラインを示した。また、クリストファー・リピンスキーによって、溶解度がドラッグライクネスの中で最も重要なパラメーターの一つであると同時に、最も制御困難なパラメーターの一つである事も示唆されてきた。また、溶解度の悪い化合物は、たとえ動物モデルで良好な動態を示しても、ヒトで全く入らなかったり、入ったとしてもバラツキが大きい場合が多く、FDAからも不溶性化合物に対してガイドラインが出ているなど、開発に時間がかかる事が予想される。

ケミカルに制御しにくいパラメーターを克服するには母核そのものを変換するに限る。アディショナルな置換基変換だけでは重箱の隅をつつくような作業に埋没しかねない。思い切った構造変換は重要である。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。