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動態改善に3つの打ち手と2つの指標

Sebhat IK, Franklin C, Lo MM-C, et al. Discovery of MK-5046, a Potent, Selective Bombesin Receptor Subtype-3 Agonist for the Treatment of Obesity. ACS Medicinal Chemistry Letters. 2010:101018161907028.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/ml100196d.

 BRS-3作動薬として、前報ではリードの化合物1の末端フェニルカルボン酸をピリジンに変換して中枢移行性を獲得、側鎖にジメチル基を導入してヒトでの活性を向上させた2を見出したが、PKプロファイルが悪く、hERGやカルシウムチャンネル阻害といったオフターゲットの作用が強い。化合物2の血中暴露量の低さは、クリアランスの低さによる。胆管カニューレラットのビボ試験で、化合物2のラベル体は65%の原体が胆汁排泄されている事から化合物原体の吸収性は良いと考えられる。一方で、ピリジン酸化、エチルリンカーやイミダゾールの側鎖のヒドロキシル化が進行している事から、酸化的代謝がPKの低さの要因と考えられた。ピリジンにフッ素を導入した3では代謝安定性が改善するが、オフターゲット選択性は低く、PXR活性も示した。

 最適化には、1)BRS-3選択性獲得の方針として、エチレンリンカーにヘテロ原子を導入し、極性を高める(代謝安定性の改善期待:ベンジル位は代謝を受けやすいと推定)と共に、活性を示さない準安定構造を排除する方針を、2)ピリジンの代謝を回避する為に、別のヘテロ環変換、3)代謝安定性改善の為に、末端アルキルのフルオロアルキル、シクロプロピル化、を検討した。
 ベンジル位への3級アルコール導入(7,14)は功を奏して活性を保持してオフターゲット(hERG)選択性を改善した。化合物14は7に比べて蛋白結合率が高くクリアランスは低く、代謝安定性に優れ、経口吸収性は20%と優れていた。よって14の置換基に絞り、末端のピリジンをピラゾールに変換した15で活性は5nMに向上、ところが蛋白結合率は下がってしまう為かクリアランスは高まってしまう。最適化の残された部位、すなわちイミダゾール末端のアルキルに焦点を移し、シクロプロピル・トリフルオロメチル基を有する21を見出し、これで蛋白結合率とクリアランスの改善に成功した。しかし、イヌPKで血中半減期は短い。最後にリンカーのメチル基をトリフルオロメチル基に変換した22でPKを改善し、オフターゲット選択性を獲得、ビボで薬効を示した事から、代表化合物MK-5046に選定した。

コンフォメーションの固定化は、何も環を巻くだけではない。アルキル側鎖に置換基を入れるだけで安定構造の数を制御する事ができる。また、PKを確保する為に、代謝部位の変換と同時にタンパク結合率の変化をチェックしている点も覚えておきたい。
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