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効率的最適化の実践例

Verhoest PR, Proulx-Lafrance C, Corman M, et al. Identification of a brain penetrant PDE9A inhibitor utilizing prospective design and chemical enablement as a rapid lead optimization strategy. Journal of medicinal chemistry. 2009;52(24):7946-9. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19919087.

リード化合物から最適化する際の合成検体の取捨選択、化合物を絞り込んでいく過程が実にエレガント。この内容は、ファイザーのアルツハイマー治療薬を指向した中枢性PDE9A阻害薬PF-4447943に至るまでの経緯について。最初のヒット化合物2は中枢性化合物のパラメーターが優れていたが、溶解度と代謝安定性、PDEサブタイプとの選択性(特にPDE1C)に問題があった。ピラゾール系化合物はヒドラジンとエステルの組み合わせで多様性ある化合物が合成可能。その種類は89000にもなるが、試薬の分子量を220以下に制限し、かつ溶解度改善と脂溶性低下によって代謝安定性を改善しうるアミンを導入(脳内移行性も改善期待?)、Pgp基質のポテンシャルや2D6代謝、hERGが問題になると考えられるが、pKa制御で解決可能と判断した。このフィルターによって化合物は3500に絞り込んだ。さらに、分子量430以下、ClogP3以下、TPSA110以下のフィルターで2400個とした。また、ヒット化合物1の蛋白との共結晶(Fig. 2)から選択性獲得と活性向上の方向性の見極め。母核のピラゾロピリジノンの2点の水素結合ドナー・アクセプターはPDE5阻害薬同様に保存されたGln-453と相互作用している。一方で、ベンジル方向はVal-417, Leu-421, Phe-441, Ala-452で構築された脂溶性ポケットにはまっている。Tyr-424はPDE9A特異的残基で他のPDEファミリーではフェニルアラニンで保存。よって、ここでの相互作用が狙える。また、Phe-441はPDE1cではアラニンなのでπスタックを狙う事で選択性獲得が期待できる。このような情報を元に、スコアリング、ランキングして500化合物まで絞込み、パラレル合成を展開した。ライブラリー合成で得られた化合物8はPDE1cに対して15倍の選択性を獲得、化合物7で共結晶が得られ、アミンがTyr-424と水を介して相互作用、ベンジル部分は自由に回転できるが、Phe-456とエッジで作用、Phe-441とπスタックしていた。ベンジルは簡単に落とせるので、その後還元アミノ化で最後の最適化へ。ヘテロ環を導入して脂溶性とアミンの塩基性を低減、見出した化合物PF-41813661はin vivoでcGMP上昇を確認、Pgpの影響を受けず脳内移行性、CSF濃度は良好であった。
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