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387万化合物HTSの衝撃

Brown AR, Bosies M, Cameron H, et al. Discovery and optimization of a selective non-steroidal glucocorticoid receptor antagonist. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10016793.

GR拮抗薬は非選択的Mifepristone(RU-486)が最も研究されているが、PR拮抗作用に基づく副作用の為に利用に制限がある。ここでは選択的拮抗薬を指向して研究を展開。ファルマコペイアによる387万化合物(!?)をHTSし、GR拮抗薬2をヒットさせた。PRに対する選択性が低いので、選択性獲得にSAR取得を集中した。Scheme1に従った2段階合成で160化合物を合成して周辺SARを取得。スルホンアミドのNHは重要でアイソステリックな変換は活性減弱(データ未公開)。光学活性なメチル基導入(14)で選択性が30倍以上を実現。ただし、代謝安定性低く、経口吸収性は1%。ビアリール末端はピリジン(16)に変換しても活性は保持され、代謝安定性は改善した。代謝物検索の結果、ピリジン上のメトキシ基が脱メチル化していると判明したので、ジフルオロメトキシ基でブロックした17にすると、ラット代謝安定性は良いがヒトは改善しない。一方で極性基のニトリル基した18で代謝安定性は改善。PR選択性改善の為に、再度、スルホンアミド末端のヘテロ環の変換を検討、代表化合物21は800倍以上の選択性を有し、PK、溶解度ともに優れていた。

キラル誘導体はリガンドフリーの鈴木カップリングとキャッチアンドリリース精製で合成(Scheme 3)。もしくはエルマンのスルフィナミンを経由して合成(Scheme 4)。

ところで、かつて1990年代はライブラリーの数にモノをいわせる物量作戦の時代。コンビケム的合成によって何万という化合物が製薬企業で合成された。しかし、その後リピンスキー・ルールが提案されて以降、化合物の物性プロファイルが重要との指摘がされて以来、それらの多くが破棄され、ライブラリーは量から質へと意識が移った。そのような背景を経た時代にあって、387万化合物のライブラリーの数というのは少々驚きである。よもや、ゴミのような化合物でそろえたわけではあるまい。ドラッグライクネスをカットオフにデザインされた化合物で揃えられているとしたら、どのようなテンプレートを揃えたのか興味が持たれる。また、この報告はメルクの内容であるが、ライブラリーはファルマコペイアのものを使っている。なぜ自社のものではないのか?また、なぜこのターゲットなのか?コスト面でも1化合物アッセイに30円としたら、全てをスクリーニングするのに1億円近くかかる事になる。多くの謎を感じる報告である。
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