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トポロジーとオフターゲット

Yang Y, Chen H, Nilsson I, Muresan S, Engkvist O. Investigation of the Relationship between Topology and Selectivity for Druglike Molecules. Journal of Medicinal Chemistry. 2010:101013093941041.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jm1008456.

この報告では、分子のプロミスカスさ(煩雑性・オフターゲットへの親和性・貧選択性)を分子のトポロジーを指標に解析し、化合物選択の基準に利用できる事を示している。

分子のプロミスカスさは、脂溶性に相関する事が報告されている。一方で分子量との相関については、議論の余地がある。ここでは、分子のトポロジーを指標にして解析を試みる。基準としてべミスとマルコによる分子フレームワーク(MF)と側鎖の定義によって化合物を分解する。そして、MFの重原子数を分子全体の重原子数で割った値をfMFと定義する。たとえば、Fig. 1がカモスタットの事例である。

さらに、分子のトポロジーを大きく4つ、すなわち、
1)1TR(リング一つ)、
2)2TR(リング二つが直結)、
3)2TR+B(二つのリングがリンカーで連結)、
4)3TR+B(3つのリングがリンカーで連結)、
に分類して解析した(Fig. 2)。

・BioPrint2267化合物を解析すると、脂溶性とプロミスカスさに明確な相関がある。一方で、重原子数とも相関があるが、脂溶性ほどはっきりしたものではなかった(Fig. 3a, 3b)。

・fMFは0.65-0.75を閾値に、fMFが大きくなるとプロミスカスさは増大する(Fig. 4)。

・非常に興味深く有用な知見として、fMFに対するプロミスカスさは脂溶性に依存しない(Fig. 5)。たとえば、Fig. 5dのように、clogP>5でもfMFが小さければプロミスカスさも低い。→脂溶性が絶対的指標ではなく、fMFを切り口にする事で可能性を見いだしうる。

・トポロジークラスとして末端にリングが3つある3TR+Bタイプでプロミスカスさは増大。fMFは0.65から0.75を閾値に、3TR+Bで極端にプロミスさが増大、一方で1TRのプロミスカスさの増大はなだらか(Fig. 6, 7)。

結論として言えることは、プロミスカスさはトポロジーを指標にすれば、脂溶性とは無関係に判断できる。fMFが小さく末端リングの数が少ないとプロミスカスさが小さく選択性の高い化合物となり、逆にfMFが大きく、末端リングの数が多いと、プロミスカスで選択性の低い化合物になる。

アストラゼネカ社は最近、clogP:3がドラッグライクネスの閾値として報告したが、一方で別の切り口として、トポロジーに着目した解析を開始していた。clogP:3のカットオフで見落としてしまいかねない「アウトライヤー」がトポロジーによってレスキューできる事を示唆している。
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