スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2段階ホッピング

Jamieson C, Maclean JKF, Brown CI, et al. Structure Based Evolution of a Novel Series of Positive Modulators of the AMPA Receptor. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10017233.

前報で見出したリード化合物1の最適化では課題解決の打ち手を出し尽くした感があった。そこで、ここから新たなリード創出を指向。手法は独自に見出した結合モードのナレッジに文献データを利用する、というもの。そのデザインはFig. 2のリリー化合物(3,LY404187)と化合物2とのハイブリッド法によってデザインした4である。この化合物は活性、代謝安定性、膜透過性に優れ、Pgp基質のリスクは認められないが、経口吸収性は低い。その原因はビボでのクリアランスの高さと考え、分子の固定化によってCYP酵素の代謝を受けないようにデザインする方針をとった。ここで、さらに文献情報から別ケモタイプ5とのハイブリッドで固定化タイプの6をデザインした。(Fig. 3)。残念ながら、この化合物の活性は減弱。その理由は、ケモタイプ4のピラゾールは元の1と酵素側での結合モードが異なったためと考えられた。ピラゾールの位置を微調整する為に、メチレンリンカーを挟んだ7で期待通り活性は回復。化合物4と7の酵素との複合結晶ではピラゾール結合位置は若干ずれている(Fig. 4)。この化合物7は代謝安定性、膜透過性に優れ、経口吸収性は極めて優れていた。次にピラゾール部位の変換(Table 1)、インダンの置換基変換(Table 2)を行い、代表化合物19をプロファイリングし、これが活性・物性・動態面で優れたツールになる事を示している。

イオンチャンネルにおいて、他社情報と結晶情報を元に2段階のホッピングのプロセスで、PDCAをしっかり回転させてPK・活性・物性に優れた新規ケモタイプを創出するという模範的研究の一つである。一つのケモタイプで打開策が見いだせない場合、その母核を変換して突破口を開くしかない。その際に、公知情報でもうまく利用すれば、ドラスティックに構造変換できる事を実践してみせた。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。