スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

僅かな変化に気づく

Barber CG, Blakemore DC, Chiva J-Y, et al. 1-Amido-1-phenyl-3-piperidinylbutanes--CCR5 antagonists for the treatment of HIV: part 2. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(5):1499-503.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19185490.

先に報告したトロパンを変換したピペリジン誘導体の左側部分を最適化。マラビロクと同じジフルオロピペリジンを導入した11cはマラビロクより強力な10乗の活性を示し、代謝安定性も優れいてたが、Pgp基質の排出系を受ける為に薬物動態に課題を残した。この解決策に旧ケモタイプのトロパン系マラビロクのSARを活用した。すなわち、マラビロクの1,3,4トリアゾールを1,2,4トリアゾールに変換すると活性は減弱するものの代謝安定性は改善、Pgp基質の影響は弱くなり、膜透過性は改善する事が分かっていた。二つのトリアゾールのclogPは近い数値であるにも関わらずlogDは乖離しており、この結果から算出されたpKa値から1,2,4トリアゾールは塩基性が高い事が示唆された。窒素の不対電子対とトリアゾールの双極子の相互作用のためと推定される。このようなトリアゾールアイソスターの知見を今回のピペリジン誘導体に導入することで、期待どおりに高い経口吸収性を示す化合物を見出すに至った。

母核を新規にホッピングさせたとしても、旧来ケモタイプのSARは十分活用できる。これによって、一からの最適化ではなく、高速で活性を向上させる事ができる。
また、一見すると、大差のないトリアゾール異性体だが、計算値clogPと実測値logDの乖離を見落とさずに、そこに膜透過性改善の合理性を見いだした。これが後のフェーズ2開発化合物PF-232798 の原動力にもなっている。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。