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バイオプレカーサー戦略

Pryde DC, Jones R, Laverty BJ, et al. An in situ oxidation strategy towards overcoming hERG affinity. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10013983.

CCR5拮抗薬の課題の一つがhERG阻害であり、ここでの化合物3もまたhERG阻害が懸念材料であった。一方でチオピランスルホキシド4は活性も強くhERG阻害も軽減したが経口吸収性が低かった。S-オキシド、N-オキシド置換基によってhERG回避できると考えて、各種オキシド体のSARを取得した(Table 1)。続いて末端ベンズイミダゾールを種々変換し(Table 2)、これらを組み合わせを検証(Table 3)。しかし、課題の経口吸収性が獲得できないので、プロドラッグ戦略(バイオプレカーサー)にシフトした。すなわち、チオピラン31は代謝安定性が低いがこれの代謝物のスルフィド4、スルホン5が血中に対流する事で作用を示させる、というものである。しかし実際に化合物31の経口投与では化合物原体のAUCが低いのみならず、代謝物として4や5もそれほど血中にはなかった。化合物31が肝代謝を受けた後、すぐに排泄されるといった経路が想定されるが、詳細は不明。

スルフィドはチオールに比べて脂溶性が大きくさがるので、物性改善に寄与するが、容易に酸化されてスルホンになるという性質もある。よって、スルフィド原体での開発は困難と考えるべきである。また、バイオプレカーサーは、代謝の種差間での違いの為に、ヒトへのPKの外挿が容易ではない。スルフィドも、バイオプレカーサーも、理屈ではうまくいきそうに思えるが、このような問題の為に、功を奏する事はまずない事を覚えておくべきであろう。
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