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選択性が皮肉な結果に

Thoma G, Nuninger F, Falchetto R, et al. Identification of a Potent Janus Kinase 3 Inhibitor with High Selectivity within the Janus Kinase Family. Journal of Medicinal Chemistry. 2010:101214161808091.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jm101157q.

JAK3選択的化合物1は驚くべき事にSTAT5リン酸化が非選択的阻害薬2(JAK1,3に同等の活性)に比べて非常に弱かった。なお、化合物1はPKCも阻害しており、それに由来する細胞系活性とも推定される。これらのデータは、JAK3選択的化合物ではγCサイトカインを介した免疫系パスウェイで薬効を獲得するのは不十分である事を示唆している。

最近紹介のファイザー社フェーズ3のCP-690,550では、元々JAK3を狙っていたのに、アッセイ法を変更した後に非選択的化合物だと判明、しかしそれが臨床で良い成績を叩き出した。一方で、JAK3選択的を見いだしたノバルティスの化合物は薬効がむしろ弱かった。創薬には予想外の事がしばしば起こるが、人智の及ぶ範囲というのは今なお知れているし、それにしてもファイザーは幸運に恵まれていた事を改めて再認識できる。これもセレンディピティと呼ぶべきなのか。創薬研究者は、「人事を尽くして、天命を待つ」姿勢で望む事が重要、という事であろう。
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