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アイデアは単発では終わらない

Narjes F, Crescenzi B, Ferrara M, et al. Discovery of (7 R )-14-Cyclohexyl-7-{[2-(dimethylamino)ethyl](methyl) amino}-7,8-dihydro-6 H -indolo[1,2- e ][1,5]benzoxazocine-11-carboxylic Acid (MK-3281), a Potent and Orally Bioavailable Finger-Loop Inhibitor of the Hepatitis C Virus NS5B Polymerase. Journal of Medicinal Chemistry. 2010:101208144435018.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jm1013105.

メルクの見いだしたインドール構造1に対して、1位と2位フェニルオルト位を環化させたデザインはJTによって行われた。環化された2の母核インドールはPKプロファイルに優れていた。インドールをチエノピロールとした3での最適化ではこれ以上の活性向上は望めなかった。そこで、改めてインドールを環化させるリンカー部分の変換に立ち返り、プロピレンリンカーにした4が35 nMの強いvitro活性を有する事を見いだした。ただし、細胞系活性は弱い。これを5環性にした5で 4nMの結合活性を示し、細胞系でも8乗オーダーの29 nMの細胞系活性を示した。しかしこの骨格では、PKプロファイルが悪い。次のアイデアとして、先のPKプロファイルに優れたインドール構造2の側鎖置換基を参考にした。さらにリンカー部分に酸素原子を入れたより細胞系活性の強い6をハイブリッドさせた新規ケモタイプをデザインし、最適化した。ここではリンカーの側鎖はアミン性置換基の変換に集中し、化合物15では元の2と同等の経口吸収性を示した。さらに最適化した33すなわちMK-3281でイヌ、サル、ラットで優れた経口吸収性とビボでの作用を確認した。これをMK-3281に選定し、フェーズ1開発中である。

デザインは、固定化→インドール等価体変換→新規リンカー探索→最適化→エーテルリンカーハイブリッド→旧ケモタイプハイブリッド→最適化の7つの鍵工程を有している。ケモタイプを変遷させながらも、旧来のケモタイプのナレッジも活用して課題を克服してゆく。アイデアが単発で終わらず、次々に状況判断して展開させていくところに、強力なドラッグデザイン力を感じとれる。
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テーマ : 科学・医療・心理
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趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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