スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アゼチジンアリールエーテルに注意

Tye H, Mueller SG, Prestle J, et al. Novel 6,7,8,9-tetrahydro-5H-1,4,7,10a-tetraaza-cyclohepta[f]indene analogues as potent and selective 5-HT2C agonists for the treatment of metabolic disorders. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10017142.

ここでのドラッグデザインは、5-HT2c作動薬ロルカセリンのクロロフェニルを2環性のピラゾロピリミジンに変換による新規母核である(Fig. 1)。目標は8乗オーダー以上の活性と5-HT2A, 5-HT2Bに対して100倍以上の選択性を目指し、抗肥満作用獲得に設定している。

合成はピペリドンを環拡大してケトエステル2とし、アミノピラゾールと縮合させて母核3を構築する。ヒドロキシル基をオキシ塩化リンでクロロ化し、種々のアミンを置換する(Scheme 1)。アミンとしてアゼチジン6aが活性と選択性に優れる(Table 1)。アゼチジンにアルコキシフェニル基導入し、5-HT2A, 2Bのアゴニスト作用は減弱。代表化合物7gでビボで薬効を確認。一連の化合物は全てhERG阻害が強いが、その理由は、このアゼチジンアリールエーテルがhERG阻害のモチーフになっており、clogP>3と脂溶性が高い事が原因と考えた(Fish, P. V.; Brown, A. B.; Evrard, E.; Roberts, L. R. Bioorg. Med. Chem. Lett., 2009, 19, 1871.)。脂溶性低下の為にベンゼンをピリジンに変換したが、活性と選択性のバランスが維持できない。極性基としてアミド9は活性が減弱したが、インドロン10でhERG阻害を軽減し、活性、選択性のバランスを獲得した。(この化合物でビボは評価していない)。

ほぼ最適化された段階で、hERG阻害のモチーフであるアゼチジンアリールエーテルを有していた事が、その後の行き詰まりを予告しているようにも感じる。化合物本体のデメリットを側鎖の脂溶性低下だけで解決するのは往々にして困難である。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。