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メルクのピリドン

Ray P, Wright J, Adam J, et al. Optimisation of 6-Substituted Isoquinolin-1-amine Based ROCK-I Inhibitors. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10018688.

ヒット化合物1はジアミン構造の為にCaco-2膜透過性が低いが経口吸収性が良い。その理由はパラセルラーによる膜透過の為と考えられた。一方で、ピペリジン側鎖にベンジル基を有する2ではCaco-2膜透過性も経口吸収性も低かった。これはより大きな構造の為にパラセルラーでも膜透過しない為と考えられた。このようなジアミン構造を改善する為に、ピペリジンに電子吸引性の置換基を導入してpKa低下を図ったが機能せず、脂溶性低下を目的にベンジルのフェニル基をヘテロ環にしたが、Caco-2膜透過性も改善せず、代謝安定性も低く、解決の糸口をつかむ事はできなかった。課題解決にはジアミン構造の脱却が必要と考え、アミノイソキノリンの変換に着手した。アミノイソキノリンはpKaが7.5で知られるが、このアミノ基を除去したイソキノリン8Bで活性を確認。経口吸収性は確認できたが、クリアランスは高く、分布容積も大きい、CYP2D6, 3A4阻害も強い。さらにこれらの課題を解決する為にイソキノリンをイソキノリノンにした14Aで、活性は保持し、CYP阻害を回避し、hERG阻害もなく、クリアランスも低く、血中持続性を獲得、ビボでも作用を示した。奇しくもヒドロキシルファスジル3と同じイソキノリノン骨格であるが、それと比較しても活性とCYP阻害についてアドバンテージがある。キナーゼ選択性、PKAに対する選択性獲得の変換(Table 6)、結晶からの考察も行っている(Table 5, Fig. 2)。

イソキノリンをイソキノリノンへの変換では、ATOMSプロファイルが劇的に改善している事は注目に値する(Table 4)。アミドが芳香環に組み込まれた部分構造ピリドンが、極性を向上させてこれらのベネフィットに寄与していると考えられる。部分構造としてのピリドンへの変換は、2環性構造に組み込む事へと応用できる。
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