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吸収性:食事の影響は溶解度で解決

Chen YL, Obach RS, Braselton J, et al. 2-aryloxy-4-alkylaminopyridines: discovery of novel corticotropin-releasing factor 1 antagonists. Journal of medicinal chemistry. 2008;51(5):1385-92.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18288792.

ファイザー社がCRF受容体拮抗薬でフェーズ2開発中のCP-154526のBU化合物CP-376395の報告。

ファイザー社の前世代CRF受容体拮抗薬CP-154526は、ピロロピリジン骨格を母核に持ち、平面性の高い物性面の悪さが予想される。課題の一つはPKにあり、イヌおよびヒトで経口吸収性に食事の影響が強く、絶食時と飽食時のBAには乖離があった。CP-154526はpKaが3.6と低く、メシル酸塩が唯一の開発可能な塩であり、その溶解度は、0.2μg / mL(pH 7.4)および3μg / mL(pH 2)程度である。BAの乖離の原因はこの溶解性にあると考え、溶解度の向上による経口吸収性の改善がバックアップの目標となる。

既に、昨日紹介論文で、物性改善の為に、芳香環を除去して単純化させる方針によって、CP-316311を見いだす経緯を示した。ここでは、溶解度改善の為に塩基性を高める方針をとり、pKa6.9のアミノピリジン骨格を合成した。その結果、溶解度は0.1μg / mL(pH 7.4)および5400μg / mL(pH 2)となり、飽食時と絶食時でのBAの乖離は劇的に改善された。さらに塩基性の高いジアミノピリジン骨格(pKa 9.3)ではCRF受容体拮抗薬活性は大幅に減弱した。これは、CRF拮抗活性に必要な窒素原子の不対電子対がプロトネーションした為と推定している。

ここで見いだしたCP-376396はイヌで絶食時のBAが22%、飽食時で64%であり、ヒトの動態予測では、73%、100%と極めて良好な数値を示している。ファイザーは、先行するCP-154526と同等のin vitro活性と動態、ex vivo活性を示す化合物を複数見いだしているが、ここで見いだしたバックアップ化合物CP-376396は複数のモデル動物で、優位なin vivo成績を示した。

溶解度の悪い化合物は、動物で良く吸収されていても、ヒトでは食事の影響を強く受けてしまうケースがある。溶解度の低い化合物のワナの一つである。ここでは、水溶性を改善する事で吸収の食事の影響を低減できる事を実践している。
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