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例外的置換基が突破口に

Miller DC, Klute W, Calabrese A, Brown AD. Optimising metabolic stability in lipophilic chemical space: the identification of a metabolically stable pyrazolopyrimidine CRF-1 receptor antagonist. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(21):6144-7.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19782566.

ファイザーが初期に見いだしたCRF受容体拮抗薬アンタラルミンは、フェニルピラロゾピリミジンという芳香環が連なった物性がいかにも悪い構造をしている。ファイザーでは、既に芳香環を減らして、優れた物性プロファイルの化合物を創出しているが、ここでは母核を残して側鎖の変換で物性面をケアしようとしている。

アンタラルミンは、活性こそナノモルオーダーと強いものの脂溶性がclogP = 6.75と高いので、活性を保持してかつ代謝安定性を改善するアプローチが必要である。一つは脂溶性を低減させる方法で、フェニル基上にメトキシ基を有し、clogPを4.8に低下させた化合物7で8乗オーダーの活性を保持しラット代謝安定性を改善する事に成功した。アルキルアミン部分の最適化では脂溶性の低減は活性減弱につながり機能しなかったが、ビスシクロプロピルメチルで脂溶性は低下させないものの活性と代謝安定性を両立する事ができた。アルキル基部分の置換基の違いが安定コンフォメーションを変化させて疎水性ポケットに丁度良くはまるようになったと考えられている。極性基の許容されない部分の変換の一例になると説明している。

側鎖の変換で物性を改善させる為に、脂溶性を低下させる置換基を入れるにも限界があり、脂溶性の低下は活性低下につながりがちなだけに、うまくいかないケースが多い。一方で、このシクロプロピル基の性質をうまく活かした変換をすれば、脂溶性を低下させる事なく、活性と代謝安定性を両立できる場合がある。ただ極性を下げるだけでなく、脂溶性と活性の相関から外れた例外的置換基を見いだす事が突破口になりうる。
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