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ピラゾール、チアゾールの隠された水素結合能

Ioannidis S, Lamb ML, Almeida L, et al. Replacement of pyrazol-3-yl amine hinge binder with thiazol-2-yl amine: Discovery of potent and selective JAK2 inhibitors. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2010.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X10001034


昨日紹介の硫黄の効果に関連してここではチアゾールの硫黄効果に加え、チアゾールとピラゾールの意外な水素結合能を紹介。報告自体はJAK2阻害薬の最適化である。

ピラゾール効果:AZ960はシスドナーモチーフ(水素結合ドナー/アクセプター/ドナーの3点)でヒンジに結合しているが、ピラゾールの水素結合能として、アミノピラゾールの4位が水素結合ドナーとして機能し、隣接するピリジンと分子内水素結合を形成して平面性を保っている。

チアゾール効果:アミノピラゾールの代替基にアミノチアゾールが利用できる。その理由は、アミノチアゾールの窒素は塩基性が高まっており水素結合ドナーとして機能するのみならず、チアゾール5位のプロトンに水素結合性を帯びさせ、シスドナーモチーフをとる事が出来るため。さらにアミノチアゾールの硫黄原子は正に帯電していて隣接するピラジンの窒素原子と分子内で静電的で相互作用しうる。この仮説は母核にピラジンを持つ化合物3と4で両方に強力な活性が認められた事からもある程度支持されている。

続く最適化では、細胞系での活性を上げて行く事を目的に溶媒方向に置換基を伸張する事を考え、母核にピリミジンを利用、溶媒方向にモルホリンやピペラジンといった塩基性基を導入し、細胞系での活性とJAK3に対する高い選択性を獲得する事に成功。hERG阻害はclogPとある程度の相関が確認。不十分なPKプロファイルの改善は今後の課題としている。


アミノピラゾールの4位、アミノチアゾールの5位が水素結合ドナーとして機能するというナレッジは、多くの局面で活かせる有用な内容である。また、チアゾールの硫黄が隣接の窒素原子と相互作用している事は、やはり硫黄効果の一つとして活かされている事がわかる。
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