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フルオロフェニルの隠された水素結合能

Kreutter KD, Lu T, Lee L, et al. Orally efficacious thrombin inhibitors with cyanofluorophenylacetamide as the P2 motif. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2008;18(9):2865-70.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18420408


このトロンビン阻害薬の報告では、グアニジンとアミドの等価体変換が話題となっている。特に、アミドの等価体としてフルオロフェニル、すなわち、フッ素に水素結合アクセプター能があるというのは特筆すべき点である。

初期のトロンビン阻害薬は、活性中心のアスパラギン酸と相互作用する為にpKa13の強塩基のグアニジンが必要であり、薬物動態に問題がある。解決策の一つは、キセメラガトランのようにダブルプロドラッグ化する方針であるが、ここでは、グアニジンのアイソスターのオキシグアニジンを利用している。オキシグアニジンは、pKaが7程度と塩基性が弱く、薬物動態面でも優れていた。

もう一つの等価体として、J&Jは既にファクターXa阻害薬の研究で、フルオロフェニルのフッ素原子が、アミド結合のカルボニル基と同様に水素結合アクセプターとして機能する事を報告している。ここでも、同様にアイソスターとして利用し、実際に結晶構造から、タンパク側の主鎖のアミドNHと3.17Åの距離で水素結合している事が確かめられた。蛋白結合低減を指向して、塩素をシアノ基に置き換え、最適化を報告している。

たとえば、1,3-ジフルオロフェニル基では、1,3位のフッ素の電子吸引性の為に、2位のC-Hが水素結合ドナーとして機能する事も知られている。このように、フルオロフェニルはフッ素が水素結合アクセプターとなって、丁度ピリドンのように働くというのは興味深い知見である。
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