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幸運の女神、微笑む!HIV治療薬

Sato M, Kawakami H, Motomura T, et al. Quinolone carboxylic acids as a novel monoketo acid class of human immunodeficiency virus type 1 integrase inhibitors. Journal of medicinal chemistry. 2009;52(15):4869-82.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19719237

インテグラーゼ阻害薬は酵素活性中心に存在する二つのマグネシウム原子に配位する為のケトエノール酸を必要とするのが一般的である。JTではこのコンセプトの元にデザインして合成したキノロングリオキサール酸2は活性がなかったが、意外にも配位部分が2つしかないキノロンカルボン酸3で活性があった。この新奇な事実に着目し、新規インテグラーゼ阻害薬の探索研究を開始した。ベンジル部分の置換基最適化で活性を向上させ、次にキノロン1位のアルキル化を検討、見いだしたヒドロキシエチレンタイプに絞って、さらにエチレン部分の置換基を探索し、最終的な組み合わせによってフェーズ3開発中のエルビテグリルを見いだした。臨床の実際は化合物単独では代謝安定性が低いためかCYP阻害薬のリトナビルと併用している。

当初狙っていた化合物が効かなくても、その中間体に活性がある事を見落とさずに、意外性の高い新奇な構造を有するセレンディピタスな発見から次の展開を模索してブレイクスルーを呼び込んだ。人智の及ぶ範囲を越えた新たな事実は、洞察力の高い研究者にのみ発見でき、財力とマンパワーにモノを言わせるメガファーマをも追撃できる。
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趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

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