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GPCR作用様式転換

Semple G, Fioravanti B, Pereira G, et al. Discovery of the first potent and orally efficacious agonist of the orphan G-protein coupled receptor 119. Journal of medicinal chemistry. 2008;51(17):5172-5.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18698756

McClure KF, Darout E, Guimarães CRW, et al. Activation of the G-Protein-Coupled Receptor 119: A Conformation-Based Hypothesis for Understanding Agonist Response. Journal of Medicinal Chemistry. 2011:110301094114020.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jm200003p


第1報は2008年にアリーナからGPR119作動薬としてビボで薬効を示す化合物の世界初の報告である。驚くべきは元々は、HTSのヒット化合物がインバースアゴニストであり、最適化の過程でアゴニストへと作用様式を転換させた点である。通常は、必要とする作用様式(アゴニスト、アンタゴニスト)でスクリーニングしてリガンドをフィッシングできなければヒット化合物なしと判断しがちであるが、ここでは作用様式を逆転させて引っ張り出すという強引に思えるが、研究者の執念の為せるアプローチである。ただ、GPCRの低分子リガンドには、一方の作用様式ばかりがとれてしまう、アゴニストプローンやアンタゴニストプローンが多く、作用様式を逆転させるのは一般に容易ではない事は留意すべきである。

第2報は、アリーナの化合物1のエーテルリンカーの二面角は±30°と考えられ、これをオキサグラナタン骨格によって固定化した8と、その異性体9をデザインするというファイザーの報告である。オリジネーターのアリーナの報告では化合物1はアゴニストであるが、ファイザーで評価すると21%活性化する弱い部分作動薬であった。一方でこれとコンフォメーションが合致する8は拮抗薬、9は78%活性化する作動薬となった。GPCR活性化の仮説として、拮抗薬の8は1のエクアトリアルをミミックしており、作動薬の9は1のアキシャルをミミックしており、1はこの作動薬と拮抗薬のコンフォメーションの平衡で存在し、より安定なエクアトリアルの寄与が大きく、活性化の弱い部分作動薬になったと考えられる。コンフォメーションの違いでアゴニスト/アンタゴニストがスイッチングする興味深い知見であり、仮にこのような作業仮説が研究過程で見いだされたならば、GPCRの作用様式を意図的にスイッチできる可能性もある。
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