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GPCRリガンド巧みに操る

Wan Y, Wallinder C, Plouffe B, et al. Design, Synthesis, and Biological Evaluation of the First Selective Nonpeptide AT 2 Receptor Agonist. Journal of Medicinal Chemistry. 2004;47(24):5995-6008. Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jm049715t


アンジオテンシン1(AT1)受容体といえば、そのリガンドはほとんどの場合が拮抗薬で、それには抗高血圧作用がある。Merckの研究者は、AT1拮抗薬のビフェニルモチーフの構造にイソブチル基を導入して、作動薬に切り替える事に成功している。AT1作動薬では高血圧作用を示す事となり、望まれる薬理作用とは逆となってしまう。一方で、Uppsala大学の研究者は、このMerckの化合物をリードに、AT1に加えてAT2の活性がある事に着目、AT2作動薬であれば抗高血圧作用が期待できるとして、AT2選択的作動薬を探索し、M024を見いだしている。関連した報告として、アンジオテンシンIIのC末端ターン構造をミミックして、AT2選択的ペプチドアナログが見いだされている。そこで、ペプチドアナログとM024の重ね合わせからファーマコアを推定し、アナログのさらなる低分子化とファーマコアの検証も報告されている。

イソブチル基導入による作用様式の変換は、3TMと6TMの底部で構築されているソルトブリッジを切断する効果があるとする報告もある。一方で、内因性ペプチドをリードにした論理的薬物設計によってGPCRの作用様式が分子レベルで徐々に解明されつつあり、このような基礎研究がデザインに組み込める可能性も期待できる。望みの薬理作用でない場合は、ターゲット蛋白をスイッチさせて選択性を獲得しなおすというSOSAアプローチが可能である。蓄積されたナレッジを駆使する事で、自由自在とまでいかなくとも、望みのリガンドを設計する事がある程度可能になりつつある。
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