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作用様式を決めるキーパーツ確保

Rudolph J, Esler WP, Oʼconnor S, et al. Quinazolinone derivatives as orally available ghrelin receptor antagonists for the treatment of diabetes and obesity. Journal of medicinal chemistry. 2007;50(21):5202-16. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17887659

グレリンには強力な摂食亢進作用とインスリン分泌抑制作用がある事から、グレリン受容体拮抗薬には、抗肥満薬、糖尿病治療薬としての可能性がある事が示唆されてきた。既報の化合物は、いづれも動態面に問題があった為にその作用は未確認であったが、バイエルの研究者達は動態面に優れた化合物を合成し、摂食抑制作用と糖濃度依存的な耐糖能改善作用を初めて確認したのがこの報告である。

バイエルで初期にヒットしたキナゾリノン化合物は、アゴニスト活性を有していた。ピペリジンをアルキル化する事で、アゴニストをアンタゴニストに切り替える事が出来た。嵩高い置換基を導入すると、インバースアゴニストとなった。

初期のヒット化合物の懸念される動態面はメチルブチルアミンに由来すると考え、フェニル、フェノキシ基に変換して代謝安定性を改善した。さらなる動態面の改善として塩基性を低下させる方針をとり、ピペリジンに電子吸引基を導入したところ、pKaは10から8まで下げて活性は保持できた。しかし、動態面での改善は認められず。次に脂溶性を低減させる方針をとったところ、良好な動態を示す26, 43を見いだす事ができた。CYP2D6阻害はフェニル基をメチル基に変換する事で回避できている。

グレリン受容体はアゴニストプローンで、そのリガンドの多くは作動薬である。しかし、ここで拮抗薬、逆作動薬のトリガーとなる置換基を見いだし、そこを固定する事で、幅広くSARを取得する事に成功した。作用様式が容易に切り替わって制御困難なターゲットでも、キーパーツとなる置換基を押えてしまえば、最適化の幅が広がる好例である。
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