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3環性の固定化で低分子化

Charrier N, Clarke B, Demont E, et al. Second generation of BACE-1 inhibitors part 2: Optimisation of the non-prime side substituent. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2009;19(13):3669-73.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/19477642.

アルツハイマーの原因としてβアミロイド仮説が提唱されて10年以上の歳月が経つが、プロミッシングな創薬ターゲットBACE阻害薬が未だにモノになっていない理由は、アスパラギン酸プロテアーゼ阻害薬を中枢薬で実現しなくてはならないという、メディシナルケミストにとって極めて難易度の高いチャンレンジングな課題を克服しなくてはならないからである。このような難攻不落の創薬ターゲットを相手に、不屈の精神で諦める事なくBACE阻害薬を検討してきた研究者の手法には、メディシナルケミストの叡智が結集している。その研究アプローチには学ぶべき事がふんだんに盛り込まれており、アップトゥデートに進化するケミストリーをフォローしておく価値は極めて高い。GSKではアスパラギン酸プロテアーゼの活性中心での遷移状態アナログとしてヒドロキシルアミンタイプのGSK188909を見出した。この化合物はまだ薬物動態面に問題があり、これを解決して10 mg / kg程度の低用量で薬効を示す化合物を見出す事が次の目標となった。BACEとリガンドの結晶情報から、トリフルオロベンジル部分、スルホンアミド、エチルアミンは酵素ポケットと相互作用しており、どれを外しても活性は減弱した。薬物動態を担保する為には、リガンド効率を高めて低分子化する必要があり、その為に、後者二つの相互作用をリジッドな骨格によって獲得し、それによって必須であったベンジルアミン部分を変換可能にするという戦略をとった。左側部分は、5,6,6, 5,6,7, 5,6,8の3環性構造をデザイン、工夫されたルートで合成された。活性は5,6,7の3環性構造で最も強く、化合物9はin vitroで2 nMと極めて強力、細胞系でもAβ40を6nMで阻害した。また、この固定化によって、ベンジルアミン部分はシクロプロピルやトリフルオロエチルといった置換基で低分子化された化合物でも8?9乗の強力な活性を保持する事ができた。

3環性構造への変換は、メルクのDP2拮抗薬やCGRP拮抗薬でも利用されており、新規性の獲得にも有効である。
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