スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

オキセタンを使いこなす

Wuitschik G, Carreira EM, Wagner B, et al. Oxetanes in Drug Discovery: Structural and Synthetic Insights. Journal of medicinal chemistry. 2010. Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20349959.

オキセタンはカルボニルやジメチルのアイソスターとして機能し、溶解度、脂溶性、代謝安定性、コンフォメーションのプロファイルを変化させる。本報では、1)ジメチルからの変換では溶解度で4?4000倍の改善、代謝安定性は改善、2)オキセタン合成ではオキセタノンからの誘導体でマイケル付加反応で多様性ある誘導体へと変換が可能、を示しており、ジメチル基やカルボニルのアイソスターとして機能するオキセタンの基礎的物性と性質の変化を解析。

発売された17個の医薬品がモルホリン骨格を有しており、13個で代謝物情報が公開され、8個でモルホリンが代謝部位である(Fig. 2A)。モルホリンのアイソスターとしてスピロオキセタンが考えられ、スピロの位置を変える事が可能、それらはケトン、ラクタムのアイソスターとして機能しうる(Fig. 2B, C)。

◯オキセタンの構造とコンフォメーション
ねじれ角で比較すると、ジメチル基がanti-periplanarとゴーシュ構造をほぼ同確率でとるのに対して、オキセタンはゴーシュ構造が優先する(Fig. 4)。一方でカルボニルはanti-periplanarが優先するので、構造変換時には注意が必要。

◯構造活性相関
極性を上げて代謝安定性を改善する為のアミンはフォスフォリピドーシスやhERGといった問題が新たに浮上する一方で、オキセタン自体にこういったリスクの懸念は低い。Table1の比較から、オキセタンが脂溶性、溶解度、代謝安定性で優れている。

◯pKa
塩基性の変化を鎖状(黒)、ピペリジン(青)、ピロリジン(赤)、アゼチジン(緑)で比較(Fig. 5)。

◯脂溶性
Table 1とFig. 7A, Bからも脂溶性は低下。フルオロメチルに導入したオキセタンではClogPは3も低下。一方でアミン側鎖に導入したオキセタンはアミンに隣接しているほど塩基性を落としてしまい、脂溶性低下の効果をキャンセルアウトしてしまう(Fig. 7, C,D)。脂溶性低下の効果は溶解度の向上にも寄与する(Fig. 8)。オキセタンの水素結合性はX線結晶構造でも示されており(Fig. 9)、そのアクセプター能はケトン、アルデヒド、エステルと同等でアミドよりは弱い。オキセタンはケトンに比べて脂溶性は高い(Fig. 11)。モルホリンからアイソステリックなスピロオキセタンへの変換では、脂溶性の変化は環サイズと置換位置に依存(Fig. 13)、溶解度は総じて低下(Fig. 14)。

◯化学的安定性
ここで示すオキセタンは酸性条件での開環に対して総じて安定。

◯代謝安定性
ジメチルからオキセタンに変換した場合、多くの場合で改善している(Fig. 15 B, D)。無置換に比べるとその効果はそれほどでもない(Fig. 15, A, C)。唯一の例外はアミンのα位に導入したオキセタンであり、塩基性が下がり脂溶性が高まり、代謝安定性が落ちていると推定される。ケトンからの変換でも同様の傾向(Fig. 16)。モルホリン、ピペリジンからの変換では、ヒトとマウスで種差があるので注意が必要(Fig. 18)。

◯合成
オキセタノンから種々の変換が可能(Scheme 2-4)。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。