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リードがその後を決定づける

Iserloh U, Pan J, Stamford AW, et al. Discovery of an orally efficaceous 4-phenoxypyrrolidine-based BACE-1 inhibitor. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2008;18(1):418-22.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17980584

Cumming JN, Le TX, Babu S, et al. Rational design of novel, potent piperazinone and imidazolidinone BACE1 inhibitors. Bioorganic & medicinal chemistry letters. 2008;18(11):3236-41.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18468890

遷移状態アナログのヒドロキシエチルアミン構造を持つファイザー特許化合物をピペリジン及びピロリジンに閉環して潜ったパテントバスターは、3nMの強力な阻害活性を示した。しかし、細胞系では165 nMと阻害活性が弱く、他のアスパラギン酸プロテアーゼとの選択性は低い。この問題を解決に向け、S2-S3ポケットに結合するイソフタルアミド部の変換を検証。結果的には、マイナーチェンジしたメトキシメチルピロリジンアミドを見いだしただけであるが、BACE阻害活性は0.7 nM、細胞系でも21 nMの活性を示し、選択性も改善、動態面、CYP阻害、蛋白結合率、hERG阻害などで良好なプロファイルを示している。ただ、化合物はP-gpの汲み出しがかかっていると推定され、中枢移行性は低い。

第2報では、S2'結合ポケットに存在する脂溶性ポケットとフラップ領域のスレオニン72の主鎖との水素結合を指向したSBDDから、ピペラジノン、イミダゾリジノンをデザイン。合成は、光学活性なジベンジルアラニナールにピペラジノンをアルドール反応させると、ジベンジル部分で立体が制御されて、目的とする立体化学の化合物が主生成物として単離出来る。狙って合成した化合物は、インビトロで3 nMの強力な活性を示した。S2ポケットで2点で相互作用するピペラジノンは、S2, S3ポケット部分のイソフタールアミド部分を環状ウレアなどに変換しても活性が保持できる点でメリットがある。しかし、ピペラジノンやイミダゾリジノン系統は、細胞系での活性は200-300倍低下した。分子の脂溶性を低下させる事でこの乖離は若干改善した。ピペラジノンやイミダゾリジノンは、pKaが6.0, 3.6とピペリジンタイプに比べて塩基性は低い。一方で、BACEのエンドソーマル膜画分は若干酸性のpH5となっているので、塩基性の低い化合物はBACEの細胞系で活性が弱くなると推定している。

パテントバスターも潜った先のヒドロキシエチルアミンが潜在的に脳内移行性が低く、これを克服できずに終わっている。リード化合物のプロファイルはその後の運命を決定づける、ここでは悪い面を引きずった形となってしまった。
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