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2つの仕掛けでサイクルタイム短縮

Mascitti V, Maurer TS, Robinson RP, et al. Discovery of a Clinical Candidate from the Structurally Unique Dioxa-bicyclo[3.2.1]octane Class of Sodium-Dependent Glucose Cotransporter 2 Inhibitors. Journal of medicinal chemistry. 2011.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21449606


SGLT-2阻害薬はO-アリールグリコシドもしくはC-アリールグリコシドの2系統に大別され、そのほとんどの最適化が合成容易なアグリコン側鎖に集中している(Fig. 1)。しかし、アグリコンの変換では脂溶性が高くなりがちで、活性代謝物を生成する置換基が入るケースもある。C-アリールグリコシドの系統は小核試験陽性のものさえ存在する。一方でファイザーでは合成的に手の付ける事が敬遠されるグリコシド部分の変換に着手した。既に報告済みのオキセタン16はPKに改善の余地があり、PKのヒトへの外挿性を予測するUGE法でも血中持続性が低いと推定された。オキセタンをアゼチジンにした17では包合を受けなくなる事から、PK改善には5位の水素結合ドナーが必要と推定された。実際にヒドロキシル基を持つ18、19ではこの問題を解決している。ここでユニークな架橋型ケタールにする事で新規性と固定化による活性向上と選択性を期待した(Table 1)。アグリコンの置換基変換の結果見いだされた化合物4は強力な活性と選択性、経口吸収性を示し、UGE法でもヒトPKの血中持続性が期待され、この予測はフェーズ1試験でも確認され、現在フェーズ2開発中である。架橋ケタール骨格合成の前駆体5は、Scheme 1に示すグルコースの1級アルコールを残して保護した6を4段階で合成し、1級アルコールをスワン酸化後、ホルムアルデヒドを作用させてジオール7、ジオールをPMB保護した後に1位アリル基を選択的に除去、ラクトン9とした後、アミド化して開環する。Scheme2に示されるように、このワインレッブアミド5はアリール化の後、PMB脱保護するとケタールを形成し、続く脱ベンジル化によってジアステレオマー混合物で目的物を合成できる。この合成的に困難だが望まれる架橋型ケタール構造を、グリコシド類縁体フレンドリーでイノベーティブなケミストリーによって僅か3工程で合成できた事により、最適化研究が推進された。このように、合成法の短縮とUGE法によるPK-PD予測が、サイクルタイムを短縮し、アーリーフォローの駆動力となったのである。
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