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p38阻害薬パマピモド開発物語

Goldstein DM, Soth M, Gabriel T, et al. Discovery of 6-(2,4-Difluorophenoxy)-2-[3-hydroxy-1-(2-hydroxyethyl)propylamino]-8-methyl-8H-pyrido[2,3-d]pyrimidin-7-one (Pamapimod) and 6-(2,4-Difluorophenoxy)-8-methyl-2-(tetrahydro-2H-pyran-4-ylamino)pyrido[2,3-d]pyrimidin-7(8H)-one (R1487) as Orally. Journal of medicinal chemistry. 2011.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21375264

p38阻害薬のスクリーニングヒット1はLck阻害薬から見いだされた。p38αの活性が10 nMであるのい対してLckは0.2 nMと強力である。p38とLckのホモロジーは低い。Fig. 1の重ね合わせからアニリンを飽和環にし、Lckでは立体障害を生じるようにデザインされた2cで活性は32 nM、Lckは>20μMと劇的に選択性を向上させる事に成功した。p38では母核はピリミジノピリミゾンよりピリミジノピリドンの方が強力な活性が期待できるとのナレッジに従い、これに変換した化合物2cで活性は0.3 nMに改善した。ただ、キノムワイドスクリーニングではオフターゲット選択性が低い事が判明(Fig. 2)。選択性獲得にはp38に特徴的なゲートキーパー領域の最適化が有効と考えた。別ケモタイプ12の結晶解析から、フルオロフェニル基がゲートキーパーの疎水性ポケットを埋め、フッ素が水素結合を形成している(Fig. 3B)。化合物2cの結晶構造Fig. 3Aを見ると、直結フェニル基では相互作用は十分ではない。疎水ポケットに相互作用させる為に脂溶性エーテルリンカーを導入した2dで活性は106 nMと保持した(Table 2)。ゲートキーパーの水素結合を指向してパラ位にフッ素を導入した2eで活性は一桁向上、さらに最適化した2aで10 nMとなった。最後にTHP部位を最適化し、ビスエチレングリコール側鎖を持つ2b (パマピモド)で14 nMの活性、HWBに100 nMの活性、キナーゼ選択性はJNK2に対する11倍をはじめ、高選択的(Table 1, Fig. 2)。良好なPKと薬効、安全性を示しフェーズ2開発中である。
LckのPJから見いだされたリガンドであるものの、酵素ポケットの相同性に着目して一挙にLckの活性のみを消失させた。さらに別ケモタイプのゲートキーパー部分のナレッジを利用し、他のキナーゼ選択性も獲得している。いづれも結晶情報を利用できるからこそのナレッジであり、SBDDの強みを発揮したドラッグデザインである。また、多くの論文が、SARをTableに羅列してなんの議論もない事が多いし、そういう内容は論点も分からず、読んでいて疲れる。一方で、ここでのSAR説明でのdata not shownの3連発は読んでるこちらも疲れないし、論点に集中できて、読みやすくありがたい書き方である。
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