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研究事業戦略部・S&BP

Cunningham MR. Driving Operational Excellence Across Research. Drug Discovery Today. 2011;(2010).
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S135964461100136X

J&Jの研究事業戦略部門・S&BPをいかに立ち上げ構築したかの紹介。その成功の鍵になった点を列記すると
1)S&BPのミッションを明確化・明文化→定義付け
2)コミニュケーションを推進
3)予算を含むリソース配分の決定権を有し、研究者と戦略のディレクションを一致させて、ハイクオリティ・ディシジョンを実行
4)リーン方式の導入による効率化
5)シェアポイントによるコミニュケーション推進
6)マインドマネージャーやプロジェクトファイルを利用した視覚化
7)情報保管は、クラウドシステムのメリル社バーチャルデータサイトを利用(シェアポイントとの役割明文化と連携)
8)透明性を担保し、迅速かつ慎重なリスク・テイクのプラットフォームを構築
9)「継続的改善」によるオペレーショナル・エクセレンスを推進


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アレキサンダー・フレミングのペニシリンの発見には「偶然のアクシデント」が鍵になったが、複雑多様化し膨大な資金の投入を必要とする21世紀創薬を運任せや偶然に頼っていられない。研究を新薬創出の為のターゲット同定から承認までのプロセスを支える科学的ファンクションであると定義し、セントコアの免疫疾患領域、J&J及びLLCの3社の、創薬・バイオマーカー・計算の研究部門が、「S&BP(戦略事業立案)」と名付けたファンクションを立ち上げた。S&BPは研究戦略実行の為の適切な環境を整えることを担当する。ここでは、そのS&BPの機能と創薬支援の方法について紹介する。

「S&BPの行動指針」
S&BPは、免疫疾患領域研究の全てのプロセスについて計画立案し、運用面でリーダーシップを発揮。
S&BPは、科学と事業の専門性を発揮する事で、個別の研究機能、プロジェクト、ポートフォリオ解析の質を最大化。
S&BPは、内外のパートナーと連携し、共同研究を加速。
S&BPは、ツール、プロセス、ガイダンスを提供し、チームパフォーマンスと機能連携を強化、効率化を推進、意思決定を可能にする。
S&BPは、マイクロソフトのシェアポイントを共同研究ツールに利用し、クオリティ・システム戦略を可能にする。

・戦略実行
戦略実行にあたって意思疎通と決定権がS&BPの重要な要素となった。研究のガバナンスは、1)免疫研究科学評議会(RISC)、2)免疫研究マネージメント委員会(RIMB)によって明確に決定づけられた。RISCは、研究段階から開発過程までを完全に俯瞰し、ポートフォリオ推移と研究戦略の決定権を持っている。RIMBは、予算、人、装置やプロセスに関連する事案の決定権を有している。S&BPのリーダーシップは、ハイクオリティ・ディシジョンとコミュニケーションを推進するので、科学者の実験の努力は戦略の方針に合致する事になる。この仕組を構築する為に、意思決定に関連するデータを収集し、情報交換できるシステムに重点が置かれた。

・研究戦略立案と研究運営
S&BPは創薬の「仕組み」を提供する。戦略立案は、プロジェクトがポートフォリオに入ったらすぐにクリティカルパスを設計する。この際にはA3リーン方式を利用し、情報共有テンプレートを提供することで議論に集中し、3ヶ月後までの研究スケジュールを設計し、効率化を図る。

・情報共有ツールとしてのシェアポイント
シェアポイント戦略はプロジェクトマネージメントの効果的運営を可能にした。
1)作業の承認:効果的ガバナンスの為に情報は電子承認。1枚のパワーポイントを送付し、関連する情報とリスク軽減戦略が含まれ、仮想ステージゲート移行が可能。
2)ライブラリーとレポーティング:メタデータはタグ付けされ、単一の場所に格納。クエリに応じて表示可能。ライブラリーは複雑なプロセス(たとえば外部共同研究)やプロジェクト関連情報(クリティカルパス・毎月の情報更新と意思決定)の運営に利用。
3)チームの作業空間:会議設定、アジェンダ作成、トラックアクションの運営の為の双方向空間。シンプルなインターフェースを利用し、標準的に一元管理された環境で意思疎通を管理。特筆すべき点として、たとえばバイオマーカーチームがマイルストーンを視覚化するようなプロジェクトのパスを表示する為に、マインドマネージャーやマイクロソフト・プロジェクトファイルを利用して概略図を作成しているので、どこにリソースを投入すべきかを的確に予測し、管理できる。

シェアポイントは単なる情報保管システムではない事を認識しておく事は重要で、さもないと情報を保存するだけの人は情報共有ツールとしての効果を見失い、書類整理棚になってしまう。情報保管システムはクラウドシステムであるメリル社のバーチャルデータサイトを利用し、シェアポイントと機能を分離させた。このクラウドは、シェアポイントと連携でき、検索機能に優れた特徴を有する。

・関係構築と共同プロセスの扱い
多くのプロセスを推進する為に、S&BPは関係とコミュニティ構築に集中。ひとたび信頼を勝ち取ることができれば、S&BPのリーダーシップの元で、部門横断的コミュニティが強力な組織となり、戦略的目標を背景とした活動に従事できる。また、プロセスとリアルタイムの情報管理ができるクオリティ・システムの元、S&BPは共同プロセス運営の価値あるインターフェースを提供できる。S&BPはシェアポイントを通して予算と戦略の合致したワークフローを承認し、すべてのプロジェクトに透明性をもたせた。この透明性は、リスクマネージメントに必須であり、迅速かつ慎重なリスク・テイクのプラットフォームとなった。

数年にわたり、S&BPは免疫疾患領域のニーズに応じて進化してきた。「継続的改善」を続けることでオペレーショナル・エクセレンスを推進した。このマインドセットが、プロジェクト数と戦略立案を向上させ、緊急の課題を減少させ、優先順位にしたがって効果的な戦略実行が可能となった。研究の仕組み、システム、プロセス構築への投資が、効果的な戦略実行を可能にした。
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テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

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