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トリッキー?CE-224,535

Duplantier AJ, Dombroski MA, Subramanyam C, et al. Optimization of the Physicochemical and Pharmacokinetic Attributes in a 6-Azauracil Series of P2X7 Receptor Antagonists Leading to the Discovery of the Clinical Candidate CE-224,535. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2011.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X11005361

ヒット化合物1は分子量こそ379と小さいが、1.1μMの弱い活性とclogP4.75の高い脂溶性とドラッグライクネスは低く、活性向上と同時に脂溶性の低下によってプロファイリングを改善する必要がある。アミド結合はエステルにしてもNHをメチル化しても活性は減弱、フェニル上のクロロ基も外すと活性は減弱(Table 1)。よって、アミドとクロロは残し、まずアミド側鎖を変換(Table 2)、脂溶性を減弱して活性を向上させうる置換基を探索、シクロヘキシルカルビノール27はclogP2.3で、活性は0.40 μMに向上、さらに環拡大した28で活性は0.083 μMに向上、clogP2.8と脂溶性も低く、タンパク結合率も0.18まで低下、代謝安定性も良い。さらにアザウラシル6位の置換基変換で見いだした33は、1 nMの活性、タンパク結合率も0.27まで低下し、このタンパク結合率の低さの為にヒト血清存在下でも1 nMの強力な阻害活性を示す結果となった。代表化合物33は、CEREP107種類のパネル阻害作用なく、CYP阻害も30μM以下、hERG阻害作用も1μMでなく、Ames陰性である。

このように魅力的なビトロのプロファイルだが、ややトリッキーなプロファイルとして、イヌやサルでの経口吸収性は59%、22%と良好だが、ラットでは2.6%と経口吸収性は低い。これはラット特異的問題と斬って捨てるが、そもそも経口で入らないのにラットで毒性試験を行い500 mg / kg p.o.4日で問題ないから安全だとしている。しかも、この化合物は種差があり、マウスのビボ評価系で活性がない。つまり、薬効量と安全性域をどうやって決めたのか、全くブラックボックスとなっている。ビトロとPKだけで臨床までいけるとしたら、そこのノウハウは興味深い。

いづれにせよ、こうして見いだされたCE-224,535のリュウマチ治療薬としての臨床成績は、12週間で500 mg, BIDで許容、血中濃度は250 ng / mL (519 nM)と十分であったが、メトトレキサート(MTX)で不適切な反応を示す患者で効果がなく、フェーズ2で開発を断念している。リュウマチ治療薬としては薬効が見られなかったが、疼痛やアルツハイマー治療薬として治療の可能性がある、としている。
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