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LLEを指標で物性悪化防ぐ

Kung P-P, Zehnder L, Bennett M, et al. Optimization of Potent, Selective, and Orally Bioavailable Pyrrolodinopyrimidine-containing Inhibitors of Heat Shock Protein 90. Identification of Development Candidate 2-amino-4-{4-chloro-2-[2-(4-fluoro-1H-pyrazol-1-yl)ethoxy]-6-methylphenyl}-N-(2,2-difl. Journal of medicinal chemistry. 2011.
Available at: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21438541

1994年に天然物ゲルダナマイシンがシャペロンとして知られるHsp90の阻害薬である事が報告されて以来、その誘導体が半合成され、17-AAGのプロドラッグがフェーズ2,3で開発されている(Fig. 1)。現在、溶解度やPKの改善の為に、非キノン系低分子化合物が探索され、BIIB021 (CNF-2024), SNX5422, NPV-BEP800 (Fig. 2)の開発が進んでいる。ファイザーのHTSで見いだされた化合物6は活性こそ1.2μMだが、LE = 0.53, LLE = 4.25とリガンド結合効率は優れている。置換基Rのクロロ基は反応性であるので、これをメチルに変換、7では活性は8.3μMに落ち、LEは3.34に低下する。活性向上を目的に、高活性レゾルシノール化合物5と重ね合わせ(Fig. 3)、R1にクロロ基の導入が有効と考え、合成した化合物8で活性は1桁向上し0.7μMに、しかし細胞系活性は弱く、さらなる活性と物性改善の必要性があった(Table 1)。メトキシエーテルリンカーを100種類変換し、活性を1桁向上させた10を見いだし、細胞系活性もマイクロオーダーで確認。結晶の考察でパラ位に疎水性置換基が許容される事から、クロロ基を入れた11で活性は向上。ただし、LLEは7の3.34から3.14に低下、hERG阻害作用があり、安全性マージン(Therapeutic index: TI)は6倍程度。改善策はエンタルピーによる活性獲得、すなわちGly97, Asp106との2点の水素結合を狙ったピロリジンウレアをデザインし(Fig. 5)、化合物12は活性向上と脂溶性低下を達成し、LLEは4.47に改善(Table 2)。ウレアの側鎖変換は許容。最も活性の強いシクロブチルウレア16はLLE4.55と優れているが、代謝安定性を犠牲にしてしまう。活性面で優れたシクロブチルウレアを残し、代謝安定性改善の為に、エーテル側鎖を改めて変換(Table 3)、見いだしたピラゾールエチルを限定し、再度ウレア側鎖を変換(Table 4)、この際に代謝安定性とバイオアクティベーションのリスク評価、細胞系活性との相関の為にに膜透過性も同時に評価、最後にピラゾール置換基と組み合わせて(Table 3)、見いだした42は、ゲルダナマイシン誘導体1cを遥かに上回る7nMの強力な阻害活性と36 nMの細胞系活性を示し、LLEは5.82、代謝安定性に優れCYP阻害やhERG阻害作用は弱く、十分な安全性域を確保し、ビボでの作用を確認した。

SBDDで活性を向上させていく方針の中、一環してLLEを指標にする事で、脂溶性が上がりすぎないようにリバレッジを効かせている。それがCYPやhERG阻害作用、代謝安定性改善に効いている。ケモタイプ自体はNVP-BEP800に近い。
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