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逆転「銀の銃弾」戦略

Beghyn TB, Charton J, Leroux F, et al. Drug to Genome to Drug: Discovery of New Antiplasmodial Compounds. Journal of Medicinal Chemistry. 2011:110419084800035.
Available at: http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jm1014617

マラリア治療薬を指向する場合、ヒトのプロテオームとして発現していないマラリア原虫のプロテオームを狙うポールエルリッヒの「マジックバレット(魔法の銃弾)」のコンセプトが主流であるのに対して(Fig. 1、緑色スペース)、ここではヒトとマラリアの両方で発現しているプロテオームをターゲットにする。この際に、全く未知の創薬ターゲットを指向するのであれば、リスクは高いが(Fig. 1赤色スペース)、ヒトでの薬剤で十分に検討されているプロテオームを狙う事で、既知のナレッジを活かした効率的ドラッグデザインが可能となる(Fig. 2, 紫色スペース)。この方法はカミルウェルムースの提唱するSOSAのコンセプトであり、ウェンチンガーによって「インバート シルバーバレット(逆転の特効薬:銀の銃弾=狼男を撃退させる弾丸)」戦略と呼ばれた。ここでは、未知のターゲットに対して大規模スクリーニングするのではなく、数は少ないがナレッジの豊富な既知リガンドに対する「ブラックボックス」の部分をスクリーニングでつり上げ、そのアクティブな化合物から最適化を検証する手法をとる。ノックアウトの情報からpfPDE阻害薬がマラリア治療薬としての可能性が示唆された。PDEファミリーの医薬品として最も研究が進んでいるPDE5阻害薬に着目した。上市化合物はプリン系のシルデナフィルやバルデナフィルの他、非プリン系タダラフィルがある(Fig. 2)。プリン系は選択性獲得が困難であるが、非プリン系は選択性獲得の期待できる母核である。実際にタダラフィルはPDE11に対して活性があるのみで、他サブタイプ選択性は良い。また、タダラフィルのインドール構造はピクテットシュペングラーを鍵反応に多様性ある置換基を容易に合成可能でもある。この事に着目し、PDE5阻害薬タダラフィルからマラリア治療薬の探索を指向した。酵素活性中心のホモロジーは41-47%と低いが(Fig. 3)、タダラフィルが利用している結合サイトには相同性がある。3つの置換基サイトをそれぞれ最適化し、抗マラリア作用を見いだした。ただし、PDE5とのSARはかなり近いようである。今後、PDE酵素を調整し、活性、SARを検証する。
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