スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

SOSA 旧医薬品から新薬へ

WERMUTH C. Selective optimization of side activities: the SOSA approach. Drug Discovery Today. 2006;11(3-4):160-164. Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S135964460503686X.

メディシナルケミストリーの体系化に大きく貢献したカミルウェルムースによって提唱された、物性と安全性を重視したドラッグデザインの手法の一つがここで紹介されるSOSAである。医薬品となっている化合物は、ヒトでの高い安全性と薬物動態が明らかとなっている点で、最も高品質なリードと見なす事ができる。一方で医薬品には、主作用以外に弱い作用(side activity)を有している事があり、この弱い親和性を主作用に変換し、元の主作用を消失させる逆転の発想で新薬を見いだせば、ヒトでの動態、安全性の約束された高品質な新薬が見いだせる、というのがそのコンセプトである。

ウェルムースは、サノフィとの共同研究において、抗うつ薬ミナプリンからのSOSAによって、ムスカリン部分作動薬、ドーパミン部分作動薬、MAO阻害薬、AChE阻害薬、PDE阻害薬、GABA-A受容体拮抗薬、5-HT3受容体拮抗薬、CRF拮抗薬など数々の中枢薬を見いだしている。SOSAによって見いだされた中枢薬は、ミナプリンの母核アミノピリダジンケミストリーを出発点としたヒトでの高い中枢移行性の獲得できる骨格を元にしており、独自のフィールドと伝統を築き上げている。

元来、中枢薬は、マルチの作用で薬効を発現している事からも、この手法は中枢薬のデザインに向いているのかも知れない。他にSOSA手法として、BMSの抗菌薬からエンドセリン拮抗薬への展開、メルクの抗炎症薬からインドール系誘導体への展開などがある。

文頭の、ノーベル賞受賞者 ジェームスブラックの名言'The most fruitful basis for the discovery of a new drug is to start with an old drug’や、クリストファーリピンスキーの'The quality of the starting lead is the best predictor for candidate quality'とも関連づけられるように、SOSAは高い安全性を獲得する為の有用なアプローチと言える。さらにSOSAアプローチに従えば、オーファンGPCRでヒットした場合、いきなりヒトに投薬してPOCを検証できる特徴を持つ。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。