スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

DPP4置換基ホッピング

Andrews KM, Beebe DA, Benbow JW, et al. 1-((3S,4S)-4-Amino-1-(4-substituted-1,3,5-triazin-2-yl) pyrrolidin-3-yl)-5,5-difluoropiperidin-2-one Inhibitors of DPP-4 for the Treatment of Type 2 Diabetes. Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters. 2011.
Available at: http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0960894X11000783

この研究で注目できるのは、既存のDPP4阻害薬がS1ポケットを専有するのはトリフルオロフェニル基がほとんどで、外しがたい代表置換基であったにもかかわらず、飽和環のバレロラクタムに置き換える事ができた点である。これを起点にジフルオロ化して代謝安定性も改善している。

ここでの目標は第2世代DPP4阻害薬として8時間後でも80%以上の酵素阻害活性を示し、DPP2,8に対して500倍以上の選択性を獲得する事。また、安全性に関しては、hERG阻害に対して300倍以上の選択性、毒性リスクの低いClogP<3, TPSA >75を設定した。ファイザーで見出した化合物6は既知のDPP4に比べてΔclogP >1.2と脂溶性が高い。これが代謝安定性の低さに寄与していると推定される。このような背景からトリフルオロフェニル基を脂溶性の低い置換基に変換しようとするのがデザインの動機付けである。化合物4と6の重ね合わせから、ピロリジンアミドのアミドとフッ素は重なりあう。この情報を元に、トリフルオロフェニル基をN結合ラクタムに変換し脂溶性を低下できると考えた。このコンセプトによって最適化された化合物5oで活性、経口吸収性、選択性、安全性でバランスがとられている。アジドを経由しない不斉合成法も設定(Scheme 2)。

よもやDPP4の定番となっているS1ポケットを外しにいくのは難しい、ましてやそもそも芳香環を脱却している、そしてフッ素の水素結合能をラクタムのカルボニルで代替している、見事なデザインである。
スポンサーサイト

テーマ : 科学・医療・心理
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

Janus

Author:Janus
趣味で読んだ創薬化学論文を綴った日記。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。